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APERTURE FOUNDATION 新時代を迎える写真集出版の雄

先に紹介したICPと並んで、NYの写真を語るうえで欠かせない名所がもうひとつある。アパチュア・ファウンデーションだ。アンセル・アダムスやドロシア・ラングをはじめとする写真家やキュレーターのグループの手によって、「写真をプ […]

04/12/2011

先に紹介したICPと並んで、NYの写真を語るうえで欠かせない名所がもうひとつある。アパチュア・ファウンデーションだ。アンセル・アダムスやドロシア・ラングをはじめとする写真家やキュレーターのグループの手によって、「写真をプロモートする」目的で1952年に非営利の財団として創立された。当時の活動の中心は雑誌『aperture』の出版だったが、60年代から写真集の出版に力を入れるようになった。これまで数々の写真集を世に送りだしてきた書籍出版のディレクターであるレズリー・マーティンさんに話を聞いた。
「絵画や彫刻といったほかの表現方法にくらべて、写真は、現代人なら誰もが親密な関係をもつ、唯一のビジュアル共通言語。詩的で美しい表現もあれば、実用的な使いかたもある。これが正しいというやりかたは存在しない。その柔軟性が写真の最大の魅力です」
これまで1年に25冊ほど出版していた写真集の数だが、最近は減少傾向にある。その理由は出版業界全体の急速な変貌だ。
「本の販売方法が急激に変わりつつあるのと同時に、出版のオプションや可能性は増えている。創立者たちの哲学を活かしながら、出版社としてどう変貌していくべきか。同時に写真というメディアはどんどん広がりを見せ、オーディエンスの写真に対する関心は高まっている。エキサイティングな時期でもあります」
創立者の哲学を継承するためのひとつの試みが、2005年にオープンしたギャラリーだ。知名度の比較的低いエマージング作家を取り扱うこともあれば、最近の『Paul Strand in Mexico』のように、パイオニアの作品を改めて紹介することもある。今後のアパチュアがどう変貌していくかが楽しみだ。