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ENALLOID × PAPERSKY “Through the Lens” 001 若木信吾

今号よりスタートした、PAPERSKY本誌との連動企画「ENALLOID × PAPERSKY “Through the Lens”」。着る服を選ぶようにメガネのフレームも選んでほしいと、シンプルでスタンダードなフレーム […]

12/13/2018

今号よりスタートした、PAPERSKY本誌との連動企画「ENALLOID × PAPERSKY “Through the Lens”」。着る服を選ぶようにメガネのフレームも選んでほしいと、シンプルでスタンダードなフレームを展開する「エナロイド」と、各地の風景を独自の視点で切り取る写真家によるコラボレーション企画です。メガネのレンズとカメラのレンズ、それぞれのレンズの先にはどんな世界が広がっているのか…..? 3回シリーズでお届けする最初の写真家は、若木信吾さん。若木さんが旅先で出会った、レンズをとおしてみた世界とは?
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ENALLOID × PAPERSKY “Through the Lens”
写真家がレンズの向こうに見た世界 001 若木信吾
Portsmouth, England |2018年秋
初めて訪れた町はホテルから歩ける範囲内に何があるか把握することから始まる。こういう時はインターネットのマップは使わない。情報が多すぎるからだ。カフェやグロッサリーストアの場所を知るのは先決だが、こうして歩き回っている間に自然と目に入ってくるもの、今の自分にとって必要ないものが、その町の印象を色づけていく。
1世紀以上、軍港として栄えたこの町で、目に留まったウェディング用の衣装店。いつでも夢見がちな世界へと誘ってくれるウィンドウを眺めながら、軍港の町だからこそウェディングに対する想いは重要なのではないか…と思ったりする。そうした妄想が、知らない町にたどり着いた時の記憶としてストックされ、ある時、睡眠中の夢のなかに現れる瞬間があったりするからおもしろい。例えば、自宅のコンビニを曲がったら、どこかで見た海沿いの町につながっていたり…。
レンズ越しに見る町は、地図とは関係のないものだ。ガラス越しの風景は意識しか通り抜けられない。体が通り抜けられない分、妄想がガイドしてくれる。通りの向こうを歩いている人はどこに向かっているのだろう。その人を尾行する自分を想像してみる。そのうちにその人のなかに入りこみ、そして通り抜けていくだろう。
こんな風に1時間も歩けば、頭も体も疲れてくる。カフェでお茶するのもいいけれど、明るいうちにホテルの部屋に戻るのも贅沢な気がする。ベッドメイキングされた新しいシーツの折り目が、古めかしい部屋の内装をスッキリさせている。夜ごはんまではまだ時間があるから、ひと寝入りしようかな。
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Frame 001
上品なグラデーションが美しい「NORAH」

model: NORAH(A)44
color: Green Gradation (116)
スタンダードなボストン型フレームに、ブランドのアイコンをフロントにあしらった「NORAH」。
グリーンからブラウンに抜けていく上品なグラデーションで、カジュアル過ぎずスッキリときれいな印象に。
 
About Enalloid
岐阜県中津川にて1947年より続くプラスチックフレームファクトリー「恵那眼鏡工業」によるオリジナルブランド。古くから続くスタンダードを守りながら、メガネの新しいスタイルを発信するエナロイドは、デザインや素材のクオリティを重視したジャパン・メイドのフレームとして国内外で評価の高いシリーズです。使いやすさや掛け心地の良さに加え、「日常をちょっといいものにする」をコンセプトに、着る服やアクセサリーを選ぶように、その日の気分でフレームを選ぶ楽しさを提案しています。
http://www.thorough.jp/enalloid/
Photographer 001
若木信吾|Shingo Wakagi
1971年静岡県生まれ。写真家/映画監督。ニューヨーク州ロチェスター工科大学写真学科卒業。雑誌・広告・音楽媒体など幅広い分野で活動中。雑誌『youngtreepress』の編集発行を務め、浜松市の書店「BOOKS AND PRINTS」のオーナーでもある。映画:撮影、監督作品に『星影のワルツ』『トーテム~song for home~』『白河夜船』(原作:吉本ばなな)などがある。