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Origen 伝統とコンテンポラリーのバランス|Oaxacan Cuisine 1

伝統的な手法をどの程度重んじるのかによって、オアハカのレストランのスタイルは決まる。革新的なメニューだけの店もあれば、伝統料理をそのまま出している店もある。「Origen」は、そのバランスに対して非常に意識的な店。モレ・ […]

10/10/2018

伝統的な手法をどの程度重んじるのかによって、オアハカのレストランのスタイルは決まる。革新的なメニューだけの店もあれば、伝統料理をそのまま出している店もある。「Origen」は、そのバランスに対して非常に意識的な店。モレ・ネグロというソウルフードのような料理の場合、外せない4つの重要なチリを変えることはないが、そこに新しい食材を用いることはある。伝統的なひと皿に、トルティーヤを焦がした灰でデコレーションをすることはある、といった具合。
「私たちは“原則”に対してとてもリスペクトがあるんです」と語るのは、スーシェフのウェンディさん。もちろん、メスカルを鳥のむね肉を焼くのに用いたり、デザートに入れたり、新しい試みによって生まれるメニューも多い。すべての食材はオアハカのマーケットから仕入れているために、季節ごとにメニューは変わる。伝統的な料理を、現代の手法を用いてアレンジされたフュージョン・オアハカン。料理に合わせるメスカルやカクテルもマリアージュを考えて提案され、チリパウダーを使ったカクテル「ピカンテ」など、土地の味を映すものによって相乗効果を生む。
1893年に建てられたという古い建築のなかでは、美しく光がまわる。しっとりと飴色になった木枠の窓からは、通りを行き交う人々の姿を眺めることができる。コロニアル様式の建物に残された古きよき時代の面影のなかに浸るディナータイム。ゆったりとした時間が流れている。
Origen
www.origenoaxaca.com
>> PAPERSKY #57 MEXICO, OAXACA|Food & Craft Issue