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シャイなスウェーデン人のセラピーでもある|Sweden Fika Guide 5

1926年の創業以来、サスティナビリティと品質を追求し続けてきたスウェーデンを代表する老舗インテリアブランド「Svenskt Tenn」。北欧らしい色とりどりのオリジナルパターンのファブリックに囲まれた本店のティーサロン […]

02/20/2018

1926年の創業以来、サスティナビリティと品質を追求し続けてきたスウェーデンを代表する老舗インテリアブランド「Svenskt Tenn」。北欧らしい色とりどりのオリジナルパターンのファブリックに囲まれた本店のティーサロンで、ここの茶葉の選定から淹れ方までをディレクションしたという、お茶の専門家でありジャーナリストのペター・ビヨルクと、彼が信頼を寄せるコーヒーロースターのデヴィッド・ハグアードに話を聞く。
「紅茶から中国茶まで、この場にふさわしい品質の茶葉をそろえることができた。けれど、フィーカ=コーヒーの文化が根強いこの街ではコーヒーも外せないと店側からの要望があったんだ。デヴィッドが手がけるコーヒーは、スウェーデンの伝統的なダークローストでありつつも、フレーバーが生きていてピュアな感覚がある。扱うなら彼のコーヒーしかないと思った」とペター。ふたりは運ばれてきた紅茶をティーカップに注ぎ、そのカップからさらにソーサーに注いで飲み始めた。これがスウェーデン特有の古いフィーカスタイルなのだという。「昔はコーヒーを煮出すのが一般的で、熱いのを冷ますのと香りを楽しむためにソーサーに移して飲んでいたんだ。今でも田舎のほうでは、砂糖をかじってソーサーで飲むこのスタイルが残っている。僕は香りを味わうためにお茶もこうして飲んでいるんだけどね」(デヴィッド)。飲み物に精通してきたふたりに、スウェーデンではなぜフィーカ文化が大切に思われているのかと訊いてみた。「スウェーデン人はシャイなんだけど、不思議とフィーカのときだけは話しづらいことでもよく話すようになる。ある意味、セラピーなのかもしれないね」(ペター)。
 
ペター・ビヨルク/Petter Bjerke
生物学者、食の生態学を専門とするライター。コーヒー、お茶、日本と韓国の台所に関する著書を出版。スウェーデンのスペシャリティコーヒー協会、バリスタ・チャンピオンシップの創設メンバーでもある。
デヴィッド・ハグアード/David Haugaard
厳選した豆の繊細な味わいを高度な焙煎技術で引き出す、カリスマコーヒーロースター。焙煎した豆は、上級バリスタ、グルメレストランのみに販売。料理人のカスタムナイフを制作する職人でもある。
» PAPERSKY no.55 SWEDEN | FIKA Issue