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“Good People, Town, Shoes” vol.2 あきた森の宅配便 栗山なつこさん

屋根のない場所すべてを楽しむための革新的フットウェアを展開する、アメリカ・ポートランドに本拠を構えるアウトドア・フットウェアブランド「KEEN(キーン)」。地球のすべての場所を、その場所を見つけた時よりも美しくして去るこ […]

07/28/2017

屋根のない場所すべてを楽しむための革新的フットウェアを展開する、アメリカ・ポートランドに本拠を構えるアウトドア・フットウェアブランド「KEEN(キーン)」。地球のすべての場所を、その場所を見つけた時よりも美しくして去ることをモットーにしているKEENは、「Giving Back:社会への還元」、「Taking Action:市民運動」、「Reducing Impact:環境負荷の低減」の3つのテーマを『キーン・エフェクト』と総称し、パートナー団体とともに、人々の生活・仕事・楽しみの場所の環境を保護し、後世に残す個人やコミュニティの活動や、その市民運動のサポート、靴・支援金の寄付、靴の製造過程における環境への負荷の軽減など、環境保護活動や社会貢献活動に積極的に取り組んでいることでも知られています。
KEEN×PAPERSKY “Good People, Town, Shoes”は、日本各地をフィールドに、より良い地域、環境づくりに取り組んでいる人々を紹介するシリーズ企画。第二回は秋田県の北東部、青森県・岩手県との県境に位置する鹿角郡小坂町を訪ねました。
秋田を訪れると自然に聞こえてくる、山菜や山の動物の話。秋田の人々にとって、山は生まれた時から身近にある、親しみとともに畏れを感じるものであるようです。鹿角郡小坂町を拠点に『あきた森の宅配便』というサービスを行う栗山奈津子さんも、小さな頃から山を近くに感じてきたひとり。『あきた森の宅配便』は、秋田の山に自生する天然の山菜を代わりに採って送ってくれるユニークな代行サービスです。秋田らしい環境を活かした山菜ビジネスを行う栗山さんに、山菜のこと、秋田の山の話を伺いました。
 
—栗山さんの地元はこの小坂町ですよね。ずっとこの町で暮らしてこられたのですか?
「この町で生まれて、高校生までずっとここで育ちました。ここ(あきた森の宅配便の事務所)から道路はさんで向かいの家が実家です(笑)。大学時代は北海道の網走で過ごしました。東京農業大学の北海道にある校舎で、オホーツクキャンパスと呼ばれています。元々都会が苦手だったこともあり、将来も地元で仕事がしたいと思って、農業を学ぶために北海道を選びました。」
 
—その頃から「農業」に関わる仕事がしたいと思われていたのですね。
「大学ではジャガイモの研究をしたり、パラグライダーに夢中になったり(笑)。卒業後は青森市内の食品会社に務めることになりました。営業担当として働いたのですが、車に乗って移動しているときに農家さんを眺めながら、『農業っていいな』と思うことが多くて。3年務めた後、地元に戻ってきました。」
 
—地元に戻って『あきた森の宅配便』をスタートしたのですね。
「『あきた森の宅配便』は2006年に父が副業として始めたもので、私が地元に戻ってきた当時は父が親戚と一緒に細々と販売している状態でした。秋田のおいしい山菜を多くの人に知ってもらいたいという気持ちや、人口が減ってきているこの町のためになることをしたいという思いが強かったので、私が中心となって『あきた森の宅配便』を本格的に展開していこうと決めました。」
 
—『あきた森の宅配便』はどのようなサービスを行っているのですか?
「『あきた森の宅配便』は天然山菜採りの代行サービスです。インターネットで山菜の注文を受けると、“山の名人”が山に入り、山菜を採ってきてくれます。そして、採れたて天然山菜を配送しています。山菜のシーズンは3月から9月頃までと限られますが、冬場は缶詰めにした山菜や、山菜と手打ちそばのセットなどを販売しています。雪国では昔から、塩漬けや缶詰めにして山菜を保存する食文化があります。そういった食文化についても伝えられたらと思います。」
 
—この地域では昔から山菜が食べられていたのですね。
「そうですね。そもそも、人類が誕生した頃から、人間は山や森にあるものを食べて生きてきたと思うので、山菜もその頃から食べられていたのだと思います。山菜を春になったら食べたくなるのは、そのように遺伝子に組み込まれているのかしれませんね(笑)。野菜は品種改良されて作られたものもありますが、山菜はその原点というか、苦みがあったり、アク抜きをしないと食べられなかったりするものも多くて。昔から続いているものならではの良さが山菜にはあると思います。」
 
—いまの時代の人間と山の関係・バランスをどのように感じていますか?
「理想的な状態ではないと感じています。昔は人が山に入っていたので、林道の整備も行き届き、山の動物とのすみ分けもできていました。いまでは林業も衰退しかけているので、山がほったらかしにされているような状態です。だからと言って、山に入って山菜を根こそぎ採ったりするのは良くないのです。山のことを考えて、山に入ることが大切なのだと思います。人が山に入ることで山の環境を維持していく。そういう思いで『あきた森の宅配便』をこれから続けていきたいです。」
 
あきた森の宅配便
http://akita-mori.com
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KEEN
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