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女ひとり、ニッポン1周自転車旅|PAPERSKY bicycle club

まるで片思いのような気持ちで、ポストを開けている。届く便りには、目にした情景や気持ちが小さな文字でビッシリと綴られている。でも、こちらから文を届けることはできない、一方通行の文……かのお相手が旅へ出る前に、ある約束をした […]

01/30/2017

まるで片思いのような気持ちで、ポストを開けている。届く便りには、目にした情景や気持ちが小さな文字でビッシリと綴られている。でも、こちらから文を届けることはできない、一方通行の文……かのお相手が旅へ出る前に、ある約束をした。それは各地の消印を押した手紙で足あとを伝えること、撮った写真をフィルムで送ることだった。
今年4月に愛知を発ち、ニッポン1周自転車旅をスタートさせたのは、三十路目前のおやつさん。日本地図を描くように海岸線で北へ、北海道を1周し太平洋側を南下。しかし、日本を半周しないうちに半年が経過、資金も尽きた。知人の自転車店で働くなどして資金を貯めたら、再出発して西へ向かうという。「楽しいですね。うち、こういう生活が好きみたいです」と言ってのけるおやつさん。「旅をしていていちばん思うのは、焦らないで行くことですね。そのほうがよいことがある。うん」と確信・感心しながら話す。事前にあれこれ調べず、人づてに情報を入手したり、地域のおいしいものを旅人と共有したり、ご馳走になったり。それに、彼女の旅の荷物は少なくない。本誌特集のULな旅とは無縁のスタイルには、それに見合った旅がある。1日の走行距離は約50km。荷物が重たければ、峠は歩けばいい。寄り道含め1時間10kmのペースというから、自分にもできるかも? と勇気が湧く。女性でも、自転車旅を楽しむヒントになりそうだ。
はじめは、どこに野宿をすればよいかわからなかった彼女も、今では道の駅で野宿する達人だ。知り合った人のお宅の軒先に泊まったり、北海道ではライダースハウスに駆け込むことも多かった。銭湯で1日を過ごしたり、各地の友人を訪ねれば、一緒に観光を楽しむだけの日もある。テントが壊れ、車輪のスポークが十数本折れるハプニングを経ても、この自転車旅を「恵まれている」と話す理由がわかるような気がする。
毎日、走るだけで刺激的。変わりゆく風景や出会う人との時間、ご当地で手に入れた食材で自炊することが、旅のいちばんのお楽しみ。「旅でしかできないから」と、私を含め、お世話になった各地の人へ、おやつは今日もペンをとる。こうして私の手元に届く便りで、旅の足あと共有中! ニッポンの人をめぐるおやつさんの旅、一緒に応援しましょう!
 
GO! ニッポン自転車旅するおやつ応援隊  
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