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復興への強い意志が息づく、歴史あるホテル

1906年4月、M8前後とも推定される大地震がサンフランシスコを襲った。この影響で街の各所では膨大な数の建物が倒壊し、20万人以上の住民が住居を喪失。悲嘆にくれる間もなく、街を再建するため早急な復興作業が求められた。そこ […]

06/30/2015

1906年4月、M8前後とも推定される大地震がサンフランシスコを襲った。この影響で街の各所では膨大な数の建物が倒壊し、20万人以上の住民が住居を喪失。悲嘆にくれる間もなく、街を再建するため早急な復興作業が求められた。そこで真っ先に立ち上がったのが、世界最大級の銀行「バンクオブアメリカ」の創始者であるアマデオ・ジャンニーニである。復興を後押しするために必要なものは何かと思案したあげく、彼が決定したのは新しく立派な宿泊所の建設。復興、主に港湾作業に従事する労働者が快適に宿泊できるホテルを、いち早く完成させたのである。その名も「New California Hotel」。もちろん、美しいカリフォルニアを新たに創造する、というジャンニーニの意志がこのホテル名にこめられた。
もともと、労働者のための快適性をとデザインされたこのホテルは、ヴィクトリア調のインテリアを贅沢に利用しつつ、ヒストリカルな絵画を要所に配置するなど、まるで時空を超えたような落ち着きが特徴的。このムードは、災害から数年が経ち、周囲にモダンなホテルが続々と登場しても、変わらぬまま守られていく。
時とともにオーナーが代わり、「San Remo Hotel」と名前が変わっても、そのヴィンテージな佇まいは当時のまま。ちょっとギシギシ音のする床や、通路のいたる所に設けられた古風なサロン風のスペース、そして雰囲気たっぷりの書棚など。今では地元でも稀少な歴史的建造物として、住居のように居心地のいい宿泊施設として、高い人気を誇っている。
復興に尽力する港湾労働者たちの便を考慮し、ロケーションは海の目の前。世界中の観光客で賑わう「Pier39」までは歩いて10分とすこぶる便利な場所にある。歴史の香りをほのかに感じながら、海辺での快適なステイ。次の旅は、こんなホテルを選択肢に入れてみたい。
San Remo Hotel
http://www.sanremohotel.com