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歴史ある森のなかの温泉で、壮大な時間のサイクルを感じて

隆起した山脈の斜面に集まるのはボルダラーやスキーヤーだけじゃない。コロラドは、サイクリストにとってもまさにパラダイス。州の北西部、スティームボートは冬にスキー、春夏秋に自転車で遊ぶ場所として全米にも広く知られる。アップダ […]

09/25/2014

隆起した山脈の斜面に集まるのはボルダラーやスキーヤーだけじゃない。コロラドは、サイクリストにとってもまさにパラダイス。州の北西部、スティームボートは冬にスキー、春夏秋に自転車で遊ぶ場所として全米にも広く知られる。アップダウンの続く道を車で走らせていると、たしかに、対向からやってくるサイクリストに次々と出くわした。立ち寄ったサイクルショップで聞くところによれば、冬にはスキーショップに早変わりするとか。この地の住人なら、自転車もスキーも本格的に極めるのが当たり前だそうだ。
この日は絶景の滝、フィッシュクリーク・フォールへのハイクがてら、名もなき岩で軽めにボルダリング。「名もなき」と言っても、高さ5mほどのウォールが簡単に見つかってしまう恵まれた環境だった。山を降り、向かった先は100年以上前につくられたストロベリーパーク温泉。山中の地形をそのまま残したアミューズメントパークのような景観は、今回のトリップ中でも随一だった。40。Cの快適なミネラル水に浸かりながら、オーナーのダン・ジョンソンと言葉を交わす。彼はかつて、シカゴに住んでいたそうだ。
「この土地の雪は本物のシャンパンパウダーだ。気候がドライだし水がきれいだから、世界のどこよりも軽くてピュアな雪だよ。その雪がまわりの深い森をつたって地下に染み込む。その地下水がとんでもない時間をかけて湧き出てきたのがこの温泉だ。そのサイクルを想像するのが俺は好きだね。シカゴの都会的な雰囲気も好きだったけど、ここに住んで、スローな時間に慣れてしまうともうシカゴには戻れない(笑)。もっと早く自然にフォーカスした生活を始めておけばよかったし、やっと大事なことに気づけたって思うね」
 
» PAPERSKY #45 Colorado | Bouldering & Hot Springs Issue (no.45)