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ダニエル・リエラ|バルセロナ、水のある風景 3

バルセロナという街を一言で表現するとどうなるか。その問いに対し、ダニエルは少し考えた後、こう答えた。 「senyとrauxaが共存する場所。だからこそガウディ、ダリ、ピカソのようなアーティストがインスパイアされたんだと思 […]

02/26/2014

バルセロナという街を一言で表現するとどうなるか。その問いに対し、ダニエルは少し考えた後、こう答えた。
「senyとrauxaが共存する場所。だからこそガウディ、ダリ、ピカソのようなアーティストがインスパイアされたんだと思う。どちらもカタルーニャ語で、senyはこの地方に古くから息づく知恵とか正しい方法の意。rauxaというのは無謀とかクレイジーって意味で使うんだ。海からさまざまな民族や文化がやってきたという過去も、内戦などさまざまな歴史も、関係していると思う。バルセロナには落ち着いた部分もあるし、なぜかちょっと奇抜なものをつくりたくなる空気もある。僕もそういうムードに多大な影響を受けているよ」
彼が生まれたのは風光明媚なコスタブラバのオロット。火山で有名なこの地でダイナミックな景観に大きな刺激を受け、17歳のときにアートや映画を学ぶためバルセロナの学校に通うように。いまではヨーロッパでも有数のフォトグラファーとして広告、雑誌などにひっぱりだこだ。
「長い間住んでいるけど、僕はこの街特有の構造を気に入っている。細い道やコーナーが多くて、歩くたびに次々とおもしろい建築や店、人に出会える感覚かな。いまでも新鮮な発見が多いんだ。僕が写真を続けているのもつねに発見があるからなんだけどね」
最後に、この時代に写真を撮る目的について、彼はこうはっきりと口にした。
「写真は見る人によってさまざまな受け止め方がある。そこから新しい思考やアイデアが世界中に広がっていく。僕が美しいと思って撮った写真によって、予期せぬところですばらしいアイデアが拡散するかもしれない。つまり僕は、よりよい世界に少しでも近づけるような写真を撮っていきたいと思っているんだ」
 
ダニエル・リエラ Daniel Riera
19 70 年、オロット生まれ。ファッション雑誌、広告の仕事と併行し、個展開催も精力的に行う。『GQ』『FANTASTICMAN』『Monocle』『LE’xpress』『Sunday Telegraph』『Velvet』など、世界的なメディアで写真を撮りつづけ、高い評価を得ている。