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コケ・バルトリーナ|バルセロナ、水のある風景 2

背には山が迫り、懐に海を抱えるバルセロナの街。この地で育った気鋭のフォトグラファーたちが撮る、美しい水のある風景。創作に根ざす思想、スタイル、街への愛情を訊いた。 Coke Bartrina コケ・バルトリーナ 11歳の […]

11/11/2013

背には山が迫り、懐に海を抱えるバルセロナの街。この地で育った気鋭のフォトグラファーたちが撮る、美しい水のある風景。創作に根ざす思想、スタイル、街への愛情を訊いた。
Coke Bartrina コケ・バルトリーナ
11歳のときに写真を始めたのは父親がモノクロ写真の現像を教えてくれたからだ。
「暗室の赤い光、だんだんと浮かんでくる画像。すべてのプロセスがロマンチックに思えて写真の虜になった」
老舗シューズメーカーを取材してフォトストーリーにまとめたり、海や島でその日の出来事をイラストレーターやライターと読み物ふうに仕上げたり。コケの興味はつねに「ルポルタージュ」だ。
「オファーを受けてセッティングされたファッションとかも撮るけど、僕の撮りたいのはドキュメンタリーだね。大事件でも小さな身のまわりのことでもいい。すべてに発見と成長があるから」
昨年からは雑誌やウェブなどの仕事と並行して、パートナーのエレナ・ギャレンとともにファンジン『フエゴ』を立ち上げた。バルセロナをはじめ、ベルリン、グラスゴー、ハンブルクなどヨーロッパ各地のアートブックショップで購入できる雑誌だ。
「いま3号出てるんだけど、最新号ではラッキーチャームをテーマにしてる。いろんな人のお守りにまつわるストーリー集だ。とても個人的な活動とか、説明しきれないけどその人にとっては必然性のある行動とか思考を写真にしていくんだ。そういうところにこそ真実があると思う」
こうした活動で彼が最も大切にしている撮影はやはりポートレート。会話によって変化する被写体を瞬時の洞察で切り取ることにこそ写真の醍醐味があると言う。
手先が器用で木工職人としても名を馳せるコケ。工業デザイナーと組み、ユニークな家具をつくる活動も楽しんでいる。
「ひとつのことだけに集中する必要はないだろ。無垢の木材からどんなものをつくれるかを大勢で考えるワークショップを開催している。僕は数学が得意だから写真も木工も似たような感覚で楽しめているよ」
 
コケ・バルトリーナ Coke Bartrina
1985年、バルセロナ生まれ。ドキュメンタリー、ファッション、スポーツを得意とする。『NYLON』『apartamento』『VANITY FAIR』などの雑誌、『NOWNESS 』などウェブマガジンのほか、ファッション、アウトドアブランドのカタログ撮影などを手がける。http://www.cokebartrina.com/