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メッセンジャーを追いかけて、伊豆・修善寺へ

元祖メッセンジャーの追っかけ?を自称している私には、どうしても記しておきたいことがある。日本のサブカルチャーな自転車の歴史に、小さくて大きな足跡を刻むことになる催しMIXPRESSION 11が、9月15-16日(日・祝 […]

09/13/2013

元祖メッセンジャーの追っかけ?を自称している私には、どうしても記しておきたいことがある。日本のサブカルチャーな自転車の歴史に、小さくて大きな足跡を刻むことになる催しMIXPRESSION 11が、9月15-16日(日・祝月)に 台風のため10月5-6日(土-日)に順延のうえ伊豆・修善寺で行われる。
修善寺といえば、サイクルスポーツセンター(CSC)という自転車を楽しむための日本屈指の大規模施設があるばかりか、日本の競輪選手を育成するための競輪学校が隣接する特別な場所だ。MIXPRESSION 11の会場はそのCSCで、東京はもちろん全国各地からこの日を待ち望んでいたメッセンジャーが集う。メッセンジャーというのは、会社や個人などから依頼された荷物の配送を自転車で行う職業。東京・横浜、名古屋、大阪、福岡など主に都市部で成り立つ仕事ともいえるので、なじみのない人も多いかもしれない。
MIXPRESSIONは、主に東京のメッセンジャーの有志によって手づくりで行われる。『PAPERSKY』の#33号でスイスを共に自転車で旅したJuriも、そのメンバーの一人だ。2日かけて予選・決勝と行われるメインレースでは、設置された仮のオフィス間で荷物のデリバリー業務(荷物のピックアップ&デリバリー)を行い、正確さとスピーディさを競う。日頃のスキルを競う、いわば仕事の技量を判定する試合のようなものだろう。さらに会場では、海外でその熱が高まり、今では日本各地でその活動が目覚ましい自転車競技・バイクポロも、メインレース同様に2日間たっぷり行われる。夜のBBQも朝食も、宿泊場所の準備も往復のバスツアーもすべて、メッセンジャーたちが万全の準備を整えて、訪れるたくさんの人を迎えてくれる。さらに9月28日(土)までに参加申し込み(レジストレーション)をすれば、レースで出走することも、夜のBBQでメッセンジャーの輪に入って楽しむことができるというのだ!
“11”回を重ねるMIXPRESSIONは、2002年に京都ではじまった“京都ロコ”に刺激された東京のメッセンジャーたちによるムーブメント。さらにさかのぼると日本のメッセンジャーたちが、1993年から続くメッセンジャーの世界大会Cycle Messenger World Championships(CMWC)から受けた影響は大きい。2006年、東京・横浜・京都のメッセンジャーたちが決意した<日本でのCMWCの開催>は、2009年に果たされることになる(CMWC 2009 TOKYO)。
1年に1度、世界のとある都市で開催されるメッセンジャーの祭典に、私がはじめて触れたのは2001年のブタペスト大会。その前年、港区の溜池山王という街で仕事をするようになってすぐの頃、行き交うサラリーマンの真っ黒い群れとは明らかに異なる、鮮やかな色合い。自転車で駆け抜けるメッセンジャーの姿が、とても刺激的で、気持ちを動かされたことを、今もはっきりと覚えている。新米OLな私は、入社後程なく(入社4ヵ月目!)して自転車通勤をはじめ、交差点でカメラを抱えメッセンジャーをパパラッチするようになった。“メッセンジャーの魅力、自転車の楽しさを私なりに伝えたい”、そう思って今に至る。この3連休、予定がない人はふらり、数時間でも修善寺に寄ってみてほしい。MIXPRESSIONや、このたった一度のブログの投稿でさえも、誰かにとってメッセンジャーや自転車の魅力を感じられる、小さな“きっかけ”になれば嬉しい。
 
※写真は、写真家・千倉志野さんとともに訪れた、2007年のCMWC DUBLIN、2008年のCMWC TORONTOでの模様です。2007年におけるプレゼンテーションで2009年の東京での世界大会開催を決め、2008年には東京のメッセンジャーSINOが世界チャンピオンになったという、記念すべき大会の大事な記録です