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特別な意味を持つ丘「モンジュイック」での一日

旅の始まりはケーブルカーに揺られながら標高180mの丘、モンジュイックへ。ここにはバルセロナの住民の誇りでもある近代的なプール「Piscina Municipal de Montjuic」がある。80年以上も前からあった […]

09/02/2013

旅の始まりはケーブルカーに揺られながら標高180mの丘、モンジュイックへ。ここにはバルセロナの住民の誇りでもある近代的なプール「Piscina Municipal de Montjuic」がある。80年以上も前からあったプールを92年のバルセロナ五輪に合わせて改装。25m四方のプール、飛び込み競技専用のプールがふたつに、4,000人以上のキャパを有する観客席まである。案内してくれた市役所のメルシは言う。
「92年の五輪を境にこの街のウォータースポーツへの興味は飛躍的に高まったと思う。それまであまり人気のなかった水球競技に1,000人以上の観客がつめかけたり、シンクロを始める子どもが増えたり。五輪のときにはこの丘に、メイン会場となったパラウ・サン・ジョルディをはじめ、たくさんのスポーツ施設もできた。街と人が変わった象徴的な場所とも言える」
このプールが世界的に有名となったのは、もちろんその圧倒的な眺望から。美しい街の眺望をバックに飛び込み競技が放映されるシーンを、世界中の人々がTVで目撃した。
歴史的にもモンジュイックは深い意味を持つ。その眺望のよさから、中世には外敵から攻撃を防ぐための要塞が置かれた場所。30年代の内戦時には独裁政府に抵抗する多くの市民が犠牲になった場所でもある。そんな歴史を経た後、住民の強い希望によって、この丘が平和の祭典である五輪のメインステージに生まれ変わった。まちがいなく特別な場所だ。
春から夏の間は地元のスイマーに人気のこのプール。週末にはプールから映画を楽しむといったイベントまであって、家族連れでにぎわうとか。ひとしきり泳いだ後はすぐ近くにある「ミロ美術館」と「カタルーニャ美術館」をハシゴでめぐる。時間をゆっくりと使いたい、特別な丘での一日だ。
» PAPERSKY’s BARCELONA | SWIM Issue (no.42)