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復活したバリの打楽器、スアール・アグンのジェゴグ公演

ガムランの一種で、バリ島西部のジュンブラナ県特有の竹製打楽器、ジェゴグ。オランダ植民地時代、制作も演奏も禁止され廃れてしまった悲しい過去をもつが、35年ほど前、地元ミュージシャンのイ・クトゥ・スウェントラさんが復活させ、 […]

11/27/2012

ガムランの一種で、バリ島西部のジュンブラナ県特有の竹製打楽器、ジェゴグ。オランダ植民地時代、制作も演奏も禁止され廃れてしまった悲しい過去をもつが、35年ほど前、地元ミュージシャンのイ・クトゥ・スウェントラさんが復活させ、ジェゴグは新たな歴史を刻みはじめた。
音階は、東西南北の方位神を表す4音のみ。それを8本の竹で構成した一見素朴な楽器だが、じつは非常に繊細で、バリの数ある楽器のなかでもメンテナンスがいちばん大変なのだ。1回の演奏で割れてしまうこともざらだし、チューニングは毎日必要だそう。日光に当たると割れてしまうため、演奏も夜にしかおこなわれない。そしてまた、夜のほうが竹はいい音を出すそうなのだ。
調律を微妙にずらしてあるため、編成の14台が一斉に打ち鳴らされると、複雑な倍音にふくれあがり、反響し、うねりになる。それらが大きなバイブレーションとなって、その場にいる者の身体の芯を震わせる。あまりの迫力に圧倒され、すぐに夢中になった。日本を含め世界各地で公演しているが、繊細でありながら桁外れな竹の音、できるならば竹の故郷で聴いてみたい。
Suar Agung
Desa Sangkaragung Jembrana Negara 82251, Bali
☎ 0365 40674
This story originally appeared in Papersky No.30. Text: Mick Nomura