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バスクの旅のパートナー、ミュージシャン Caravan

世界中にヒト、モノ、コトがあふれ、世の中はハッピーなことだけじゃなくなってきている。どうやって生きればいいのかに迷ってしまう日常のなかで、道標にすべきひとつのキーワードは“シンプルさ”なのではないか。そんな想いを胸に、P […]

05/03/2011

世界中にヒト、モノ、コトがあふれ、世の中はハッピーなことだけじゃなくなってきている。どうやって生きればいいのかに迷ってしまう日常のなかで、道標にすべきひとつのキーワードは“シンプルさ”なのではないか。そんな想いを胸に、PAPERSKY はバスクへの旅に出た。旅のパートナーはミュージシャンのCaravanさん。フォーキーなメロディにストレートなリリックを合わせた彼の曲からは、今回の旅のテーマとなった“Simplicity”というフレーズが香ってくるようだ。
Caravanさんは小学校にあがるころまで南米のベネズエラに住んでいた。まわりの人々はもちろんすべてがスペイン語を話す。そんななかで育ったこともあって、身体の奥底に南米風のリズムが染みついているという。「小さいころはスペイン語が話せたそうなんですが、残念ながらいまは覚えてない(笑)。でもバスクを旅してみて、どことなくなつかしい感じがするのは不思議。山の上に大きな銅像が建っていたり、何百年も経っていそうな古い建物の間で子どもたちが遊んでいたり。風景が似てるんですよね。言葉のリズムもなんとなく耳に優しい感じがあって、なぜかこの空気、知っているなあっていうデジャヴのような感覚を覚えた
海と山に挟まれた、美食とワインの宝庫。勤勉な人々が構成する豊かな社会。そして、言語をはじめとする独自の文化。たしかに、あらゆる環境に恵まれているように見えるが、彼らの多くは与えられたこととどう対峙するか、そのことでどう満足度を高められるかに視線を置く。けっして世の中のすべてを手中に収めようとは思っていないのだ。Caravanさんはそんなマインドにこそ、バスクの人々のシンプルな生きかたを感じ、共感できるという。
Caravanさんがもっとも印象的だったというバスク人は、デザイナーのブラーミ。彼はバスク人のスピリットや生きかたについてこう語った。
「生まれ育った場所に影響を受けて、そのことを表現するのは当然のこと。この土地に住む人の心はリッチだから、自分も自然とそうなっているかもしれない。デザインやアートにしても、メッセージや主張を込めてなにかの結果を求めているということじゃないんだ。たくさん売ろうとかいっぱい仕事をしようなんて全然考えてない。今日、僕にはなにができるか。そのことだけを考えて生きてきた結果が“いま”だね」
キャラバン Caravan
ミュージシャン。幼少時代をベネズエラの首都カラカスで過ごし、帰国後も旅を重ねる。日本全国をキャラバンしながらライブを重ね、そこで販売された自主制作CDが話題となり、世に出るきっかけとなる。05年メジャーデビュー以降、フォーキーで情熱的な音楽に支持が集まる。これまでDonavon Fra n ken reiter、Calexico、Tommy Guerreroなど、数多くの来日アーティストのオープニングアクトや共演を果たし、YUKI「 ハミングバード」、SMAP「 モアイ」を始め、楽曲提供もしている。www.caravan-music.com