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ブナの森から湧き出す水で造る、秋田の銘酒

「白瀑」(しらたき)という白神の滝の名を冠した酒を造るのは、白神山麓で明治34年から酒造りを営む蔵元・山本合名会社。現社長が五代目、全国新酒鑑評会で八度も金賞を受賞した実績を誇る。ここの酒造りの特徴は、仕込みに白神山地の […]

03/02/2011

「白瀑」(しらたき)という白神の滝の名を冠した酒を造るのは、白神山麓で明治34年から酒造りを営む蔵元・山本合名会社。現社長が五代目、全国新酒鑑評会で八度も金賞を受賞した実績を誇る。ここの酒造りの特徴は、仕込みに白神山地の麓に湧く天然水を使用していること。酒造から3km離れた「薬師さん」のブナ林にこんこんと湧き出す水を、山の傾斜を利用して蔵まで引き、すべての工程に使っている。常務の山本友文さんに蔵を案内してもらうと、敷地の中ほどで、ホースを伝ってきた湧き水が絶えず、しかも勢いよく流れ出ている。「ある地質学者の方に聞いたところ、およそ60〜70年かかって湧き出した水だということです」
柄杓ですくい、飲んでみるとごく柔らかい、やさしい味がする。「ミネラル分が少ないので柔らかいんです。水に鉄分があると酒が酸化して色が付きやすくなったり、香りも邪魔をするので、酒造りの水に鉄分は大敵なんですよ。水の性格はお酒の正確に直接影響するんです。硬水で仕込んだお酒は辛口のはっきりしたお酒になりますけど、当社のような柔らかい水で仕込むと香りも味も非常に柔らかい女性的なお酒になるんですよ」
自社精米、手作業の麹造りに天然水が加わり、美味しい酒ができる。秋田県内にある酒造の中でも、湧き水で酒造りをする蔵は3つ、水を濾過せずに使用しているのは山本合名会社だけだという。それは水源となる白神山地が汚されていないことの証にほかならない。
山本合名会社
秋田県山本郡八峰町字八森269
0185-77-2311
http://www.shirataki.net/
酒造は一般の見学も受け付けている。事前に電話で連絡を。
編集元の記事:Papersky No.14 秋田特集 P.36-37