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「東京スパイス番長」のおいしすぎるインド旅行

2010年2月。インド最大の都市、ムンバイに降り立ったシャンカール、ミズノ、ナイル、バラッツ。ともにインドを、なによりインド料理を愛している4人だ。「東京スパイス番長」の名で定期的に集まってインド料理セッションを重ねてき […]

12/06/2010

2010年2月。インド最大の都市、ムンバイに降り立ったシャンカール、ミズノ、ナイル、バラッツ。ともにインドを、なによりインド料理を愛している4人だ。「東京スパイス番長」の名で定期的に集まってインド料理セッションを重ねてきた彼らの今回の旅の目的はただひとつ、「料理をしにインドに行くこと」。耳慣れない料理の専門用語も頻出するし、観光地ガイドにもなりはしない。でもこの旅行記が滅法おもしろいのだ。ムンバイでは到着するなり、マーケットで「ガチッガチッ」って音とともに、斧で豚を捌くブッチェリーの洗礼を受ける。暑いし不衛生な環境だから、肉はすぐに痛んでしまう。でも、だから、カレーにするしかない。ベジタブルマーケットでは野菜のフレッシュさに驚き、地元の人に聞いたおいしい店で東京との違いを味わいながら、4人は南へと歩を進める。
スパイスの名産地、コチでは、ピッツァのように空中で生地をまわし延ばすルマーリロティ屋、目にも止まらぬ速さでポットからカップに注ぎこむチャイ屋など、パフォーマティブなストリートフードショップに目を奪われる。立ち寄ったレストランでフィッシュカレーのあまりのおいしさに衝撃を受け、一瞬は自信を喪失する。でも夜には、インド人男性のテーブルを囲む「いい感じ」はどこからくるか、なんてことを大真面目に語りあうのが彼ららしい(結論は左手のひじ、らしい)。
コチから電車で3~4時間、ティルバナンタプラムを経て、セッション会場のコヴァラムへ。キッチンつきの家を借り、今回の旅で見て食べて買った経験と食材を使い、4人は1日かけて思い思いのメニューをつくる。ターリーと呼ばれる大きなトレイに15品もの料理が並ぶ様は、カレーだけ、とか、辛いだけ、という先入観はとっくに超えて、壮観の一言。
4人のあくなき料理への好奇心が集まって、どこにもないインド料理&旅行記ができた。最近では手を使って食べる人は少ないとか、インド人はストがあると線路を持っていっちゃうとか、生なインド情報もおいしい。
CHALO INDIA 2010 インド即興料理旅行
著/東京スパイス番長 イートミー出版 ¥735