PAPERSKY FOOD CLUB #2 CHIOBEN
日常の作業に追われて今回のフードクラブをずっと延ばさざるを得なかったのだが、真夏の土曜日の正午に、15人の仲間たちが素材のずらりと並べた食卓に集った。今回のゲストシェフは山本千織さん。札幌にある「はるや」という和食のお店で厨房の担当を経て、東京に移住し代々木上原の「ガテモタブン」で働いていたが、今その真向こうにあるバーを借り、昼のみの弁当を販売している。千織さんの独特なタッチの和食は以前から惹かれた。異国のイメージを想起させながら、香辛料や素材は基本的に日本のもので、無国籍な味わいを巧みにつくり出している …»
割烹で四季を味わう
金沢にある 「aka」 という“崩し割烹”のお店に行ったときのこと。和風の漆器や陶のうつわを洋風の食器に合わせて使ったり、典型的な懐石料理のコースを再構築し、遊び心を込めたカジュアルな形式としてつくり直していたのが印象的だった。 “割烹”が「烹(に)ることを割る」という語源だとすれば、そこにはもともとそういう破壊的な傾向が含まれているのではないか …»
ガテモタブンの定食:日本のソールフード
こういう店が自宅から徒歩数分の距離にできたらいいなあ、と思わせるような代々木上原の地元スポット、ガテモタブン。強風に吹き飛ばされてしまいそうな真冬の日に、東京に遊びに来たボストン在住の友人を昼食に連れて行った。普段日本人に簡易に通じる「定食屋さん」という言葉でどういう料理を出すかがすぐ分かるのだが、英語で述べるのがちょっと難しかった。文字通りに「定かな食事」という意味が含まれるかもしれないが、一定のものというのはいったいなんだろう? 定食に欠かせないごはん、みそ汁、漬け物、おかず?それとも定番の家庭料理の中から主菜をチョイスしなくていけないのだろうか ? …»
老舗のチキンライス FOOD FROM WHERE?
幼なじみの結婚式に出席するため先月、シンガポールに帰った。偶然、アジアを旅行中の日本人の友だちもシンガポールに滞在していたから、街の案内をして一緒に食事をした。外国の友だちと歩く母国の観光は、その人の趣味や性格に合った喜ばれそうな場所に連れていくよりも、長い間、自分の国から離れて暮らしている自分にとっての新鮮な体験を求めることこそ、じつは楽しいのではないかと思う …»
箸で食べる「グローカル」フレンチ
近頃、ニューヨークをはじめ、香港など海外のグルメ都市で活動しているフレンチの一流シェフたちは和食の素材を積極的に取り入れて、抹茶のミルフィーユだったり、ゆずの香りを漂わせる魚や肉料理を作るようになってきたが、日本のプロの料理人はちょっと違った「グローカル」の食文化に力を注いでいる印象がある。高価な輸入食品に頼りながら奇抜な創作料理を作るよりも、むしろ地元の純国産材料を活かして外国にインスパイアされたものを制作した方こそが、より精巧な「無国籍」料理になるのではないだろうか …»
森のレストラン
山梨県八ヶ岳にあるギャラリートラックスから、車でくねくねとした山道を上っていくと、霧がかった森のなかに木造の「仙人小屋」が現れた。「まわりには本当になにもないから、そこに行くのは仙人がひっそりと暮らす聖地への巡礼みたい…」と噂で聞いていた場所だ。「仙人小屋」とはそんな山奥にたたずむ里山料理のお店。ようやくたどり着き、車から降りると、その小屋の隣に新しい小屋があるのが視界に入ってきた。「仙人小屋」によく似た木造の建物で、こちらは「自然屋」という名の料理店 …»
LEVAIN DEPOT: 都会の田舎小屋 ieie
数年前にある香港の広東料理のシェフが自身の家を公開して、自宅で「私人餐 廰」(個人経営のレストラン)を運営し始めてからすぐ流行るようになったことがある。最近ニューヨークタイムズに「プライベート・パリ」という、 看板の掲げていない細い路地裏にひっそりと佇まってるお店の特集も。日本でも、そういった会員制ではないのに一般向けでもないような「隠れ家」っぽい割烹料理のお店もずっと前から存在していたわけなのだが、商業を目的としない不定期のお店の出現は割りと近頃の発展ではないだろうか …»
































