Papersky No.14

“知らせたい”本能|石川次郎

石川次郎さんと話していると“面白い”という単語が何度も出てくる。『POPEYE』の創刊に加わり、『BRUTUS』『Tarzan』『GULLlVER』など数多くの雑誌の編集長を務めた人。『POPEYE』『BRUTUS』は高度成長期における若者文化の担い手としての雑誌の地位を確立し、また『Tarzan』では専門性に特化した雑誌作りのお手本を示した。そう、彼の手がけた雑誌はすべて時代のニーズを捉え、ひとつの時代を創ってきたのだ。そのキャリアは間違いなく日本のメディアの歴史の中でも燦然たる煌きを放っているけれど、その根本は“面白いことをやりたい”という、ただそれだけだ。雑誌の世界では海外取材による記事作りがまだ一般的ではなかった1960年代から、精力的に世界中を廻り、伝え続けてきた彼は、現在も編集者として“面白いこと”を探求し続けている。そんな「海外取材」を開拓してきたパイオニアに、旅とメディアとの関わりについて語ってもらった …»

 [1-5]

KWANGHO LEE|自然を想い、素材に命を吹き込むクラフトマン

2010年秋、東京ミッドタウンホールで行われたデザインの祭典「DESIGN TIDE TOKYO 2010」。世界から大勢のデザイナーが集まった会場で、黙々と作品を作り続けるKwangho Lee本人に出会った。世界各国の家具見本市に作品を出展し、 近年目覚ましい活躍を見せている韓国のクラフトデザイナーだ。学生時代に金属工芸を学んだ彼は、ソウルに工房を構え、ごくありふれた工業素材を用いて、手仕事で制作を行う。ある時は真っ赤に熱した鉄線で巨大な発泡スチロールを紙のように薄く切り出し、またある時は束になった途方もない長さの電気コードをひたすら結び続ける。人工的で無機質な素材を手にとり、どこか懐かしいような、それでいて生命力を感じさせる作品を生み出している …»

 Ariko

ARIKO写真展「OM」

本誌アイスランド特集(No.27)を撮影してくれている写真家のARIKOさんが、4月8日からgallery TARGET にて写真展「OM」を開催します。2009年より撮りはじめたこのシリーズは、インドのいろいろな聖地で出逢った外国人と時間を過ごしながら撮ったもの。

「インドに行きたいと始めて思ったのは、サイババの本を読んだ19歳の時だった。手から不思議な粉を出し、なんでも願い事をかなえてしまえるサイババの話を読んだとき、会いに行かなければという衝動にかられた。見えない世界をあたりまえに信じ、賢人、聖人、秘伝がたくさん生まれてきた国インド …»

 Tochi Sato slideshow

BORNEO

ボルネオは東南アジアの南シナ海、スールー海,セレベス海とジャワ海に囲まれた島で、マレーシアとブルネイ、インドネシアの3カ国から成っている世界で3番目の面積を誇る島です。島の北に位置するマレーシアの「キナバル山」は4095m。東南アジアの最高峰で、2000年に世界遺産に登録されました。日本から6時間、コタキナバル国際空港から2時間あまりの深い森の麓、太陽は眩しく周りをジャングルに覆われ、ドッシリと構えた山は大きく黒く輝いていた。» スライドショー (slideshow photo)
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 [Photo 1-5] Katsuyoshi Ueno

イスラエルフェアで感じる現地のカフェタイム

1月20日から23日まで、イスラエル大使館主催で行われた「地中海の国 イスラエルを体感できる4日間(イスラエルフェア)」。 オンラインマガジン「タイムアウト東京(Time Out Tokyo)」 の協力のもと、観光地としてのイスラエルの魅力とその食文化を東京で体感できるイベントが、恵比寿の「タイムアウトカフェ&ダイナー」で開催された。

期間中フードを担当したのは、練馬の江古田に店を構えるイスラエル料理店SHAMAIM。筆者も何度か足を運んだことがあるが、オリエンタルな内装に天井の高い異国情緒溢れる空間で、通常のメニューの他にも、オーダーブッフェのスタイルでイスラエル料理を幅広く楽しませてくれる …»

 Klack

KLACK – PHOTOGRAPHY & CULTURE MAGAZINE

2010年に香港で創刊されたフォトカルチャー誌『KLACK』。編集者の一人である黃淑琪(Ki Wong)は、『TOKION』の香港での出版に関わった一人でもある。長く本や雑誌というスタイルにこだわってきた彼女が、写真家の賴朗騫(Hin Lai)、芸術家の連安洋(Lin On Yeung)と出会い、この雑誌の創刊へとつながった。

彼らが追求するのは、写真の解釈について新しくユニークなカルチャーを提案すること。一枚の写真がどのように機能するのか、そしてそれが私たちの視点に与える影響力の大きさ …»

 Papersky No.15

立ち現れる風景|角田光代

直木賞受賞作家という肩書きもなければ自らの名前もない旅のなかへ。「場所と人の関係というのは、恋愛にひどくよく似ていると思うときがある」と、自身のエッセイ『恋愛旅人』で語るとおり、角田光代さんはまとまった時聞がとれるとそそくさと荷物をまとめ、恋人に会いにいくがごとく旅へとでかける。彼女のスタイルは、とにかくよく歩くこと。自分が住んでいる町でも迷うほどの方向音痴だからなのか、何日もかけて町中を歩きまわって観察する。それはまるで、そこで暮らす人の生活や習慣、匂い、音といった町そのものを体の中に染み込ませていくかのように。路地や家の中、屋台といった、今、見えるものだけでなく、時間を越えた普遍的な空間そのものを見つけるかのように。そうして夜は土地の酒を飲んで、さらに町との距離を縮めていく。そこで彼女は丸い目をじっと見開き、新しい友人の顔をのぞき込みながら、興味深げに話しに耳を傾ける。そんな観察者であり表現者である角田さんの、視線の先にあるものは… …»

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