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少年たちの遊泳場から、夜は大人のバーに|Mannerbad Schanzengraben

前述のFrauenbadiとは反対に、こちらは照れ屋な男性のためのリド。大通りから一本入った路地裏にあり、白い漆喰の壁は街路樹で半分隠れていて、たたずまいからしてなんだか慎ましい。小さな緑色のドアをそっと開けると、意外に […]

04/06/2020

前述のFrauenbadiとは反対に、こちらは照れ屋な男性のためのリド。大通りから一本入った路地裏にあり、白い漆喰の壁は街路樹で半分隠れていて、たたずまいからしてなんだか慎ましい。小さな緑色のドアをそっと開けると、意外にも「ドボーン!」と豪快な水音と少年たちの楽しそうな歓声が飛びこんできた。日中でも20˚Cを切る涼しい日だったが、少年たちは元気いっぱい。プールサイドを駆けまわっていたかと思うと、カメラやノートを持った闖入者たちを見つけ、くりくりとした目を輝かせて駆け寄ってきた。10〜13歳の男の子が4人。ふたつのプールは、小ぶりで水深もさほどなく、子どもが水遊びをするのにはもってこいなのだろう。
このリドは、1864年築。神聖ローマ帝国を舞台に1618年から1648年まで続いた30年戦争の際、防衛のために築かれた古い城壁と堀の一角を利用してつくられた。そのため、一方にはいまも高い城壁がそびえ立つ。プールサイドのソファベンチやゲーム台はほどよく古ぼけていて、いい味を醸しだしてもいる。この隠れ家風のムードを活かし、19時からは女性も入店できるバー「Rimini-Bar」として営業。プールサイドはイルミネーションで輝き、プールは噴水に変身。さっきまで子どもたちの歓声が響いていたのが嘘のように、大人の空間に変わる。
This story originally appeared in Papersky’s SWISS | water issue (no. 40).