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木々に支えられてきた「森林先進国」として|Lusto & Luke

国土の75%を森林が占めるフィンランドの人々にとって、森はつねにすぐそばにある心の拠り所であり続けてきた。現代においても、彼らは街での暮らしに疲れると森のサマーハウスへ行って心身を癒やす。また一方で、この豊かな森林を活か […]

03/17/2020

国土の75%を森林が占めるフィンランドの人々にとって、森はつねにすぐそばにある心の拠り所であり続けてきた。現代においても、彼らは街での暮らしに疲れると森のサマーハウスへ行って心身を癒やす。また一方で、この豊かな森林を活かした林業はこの国における近代産業の柱でもあった。つまり木々こそが物心の両面からこの国を支え続けてきたということ。こうした歴史的背景をもつ国だけに、森林に対する意識は高く、研究・調査の取り組みは世界でも非常に進んでいる。ヨエンスにある「Finnish Forest Research Institute」は100年近い歴史をもつ、ヨーロッパで最も大きな森林の研究組織のひとつ。木材をふんだんに使用したユニークな建築の本部では日々、環境、産業、コミュニティなどさまざまな面から世界各国と連携して研究・調査を進めている。
森林先進国としてのフィンランドの文化の深さと厚さを感じたいなら、プンカハリュにある森林博物館「LUSTO」は見逃せないスポット。森で暮らす植物や動物の解説に始まり、生活の場としての森、産業としての森、聖地としての森、レジャーとしての森、文化としての森、学問としての森など、あらゆる方面から森林を捉えた資料が充実。自然科学としての樹木だけでなく、森と人との深い関わりを楽しく美しい展示をとおして学ぶことができる。なかでも新旧の林業機械の展示はめずらしく興味深い。森林のなかを6本足で歩く歩行型林業機械は世界に2台しかないプロトタイプのひとつだとか。生命を育む場でありながら時に厳しい顔も見せる自然環境に対峙し、もてる力と知恵を総動員して技術を開発してきた人々の歴史を感じる施設だ。
Lusto National Forest Museum
www.lusto.fi
 
» PAPERSKY #48 Finland | Wood Issue