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Day1 函館~八雲~白老|山麓の渓流で魚と戯れる

到着した日の函館は曇天だった。ときどき小雨が混じる、肌寒い日。それでも旅の始まりはいつだって気分が高まる。初日は車をピックアップした函館から八雲町に立ち寄り、宿泊地となる白老町まで一気に車を走らせる。その近く、樽前山の麓 […]

09/26/2019

到着した日の函館は曇天だった。ときどき小雨が混じる、肌寒い日。それでも旅の始まりはいつだって気分が高まる。初日は車をピックアップした函館から八雲町に立ち寄り、宿泊地となる白老町まで一気に車を走らせる。その近く、樽前山の麓の錦多峰川で渓流釣りを楽しむ「SOUTH2 WEST8」のふたりと出会った。ディレクターの永岡要さんとストアマネージャーの三浦健人さんは、テンカラをしながらファットバイクでフィールドを駆ける“FISH AND BIKE”をコンセプトにしたファッションを提案している。“テンカラ”とは、竿とラインと毛針という3つの道具だけで魚を釣る日本古来の伝統釣法だが、「僕たちのテンカラは少し違っていて、そのときの状況によってフライフィッシングの毛針やラインも使用する、ハイブリットスタイル。伝統を大事にしつつも、堅苦しく考えず創意工夫を楽しんでいます」と三浦さん。
今回、狙うのはニジマス。ポイントを探しにふたりはずんずん山へと入っていく。渓流の幅が狭くなったあたりで、耳をすます。遠くの水面に波紋が広がった。「捕食のため魚が水面から姿を現す、それをライズといいます」と永岡さんが教えてくれる。川の流れを注意深く見ながら、魚がいそうな場所に静かにラインを垂らしてみる。「渓流釣りは、山と川、ふたつのフィールドに触れることができて生態系への理解を促してくれるものでもあります。人と自然の共生を考えるうえでも理想的な野外活動なんです」と永岡さん。ニジマス以外にも、ヤマメ、イワナ、アメマス、イトウと、北海道には恵まれた自然環境のなかで育ったワイルドな魚たちが数多く生息するという。魚と戯れるうちに、いつのまにか雨は上がり、夕刻には空一面が茜色に染まっていた。
 
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