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同じようでどこか違う、漢字の国

, 2019/06/10

ドイツの蒸留所にいたころは車に乗って、いろいろなところを訪れた。アウトバーンを1時間も走ればスイスやフランス、さらに走るとイタリアやオーストリアに到着する。スイス以外の国は国境にゲートすらないので、到着というよりいつの間にか国が変わっている。唯一、違いがあるのは入口・出口の標識で、ドイツではEingang・Ausgangが、イタリアではEntrata・Uscitaになる。無機質な標識からやっぱりイタリアは開放的な感じがするなあなんて思ったりするのだから、人の印象というのはおもしろいものだ。訪れるのはたいてい田舎の何もないところで、食事をする場所は宿の1階にあるような小さな食堂。美味しそうなサイン、感じのよさそうな雰囲気、手頃な値段感といったことを、限られた情報から入る前に判断している。看板はかくも大事で、読めなくても語りかけてくるものがたくさんある。

では日本人にとって親しみのある漢字を使う国、台湾だったらどうだろうか。この本は、デザイナーであり「タイポさんぽ」をライフワークとする藤本健太郎さんが台湾を訪れた記録だ。漢字タイポの国は、日本と同じようでどこか違う。意味が微妙にわからないからこそ推測し、そこに考察が生まれる。

屋台の丸ゴシック、オフィスビルの金ピカ立体文字、ブティックのデコラティブな文字、歩道に置かれたトランス(変圧器)のペンキ画とステンシル文字、いかがわしい大人のお店のネオン…。それぞれの文字から、美味しそう、立派そう、おしゃれそう、じゃまにならなそう、なんかエロい…、が伝わってくる理由を考える。

また、台湾では海外のブランドや名称も漢字で表記する。スムージーは「思慕昔」で、カルフール「家楽福」で、ホットドッグは「熱狗」だ。音からの当て字ながら、なんとか意味も共通させ、さらにデザイン的にも同じルールで解決しようとする、涙ぐましいデザイナーたちの努力を採集する。

漢字はアルファベットと違い、もともとモチーフとなったものがある。だからある程度省略したりアレンジしたりしても読むことができるし、もっといえば元のモチーフに近づくこともある。

大胆にアレンジされた文字をとおして見えてくる、町の風景や社会の仕組みを想像するのがタイポさんぽの醍醐味だ。

タイポさんぽ 台湾をゆく 路上の文字観察  藤本健太郎 誠文堂新光社

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