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ピースフルな空気が心地いい、ヒロ&プナ案内

自然農法を実践する農家カフェからローカルにこだわるグローサリーまで。ハワイ島在住、ロミロミ・プラクティショナーとして多くの人を癒すアリオカ・ジュンカさんがリトリート旅に欠かせないヒーリングスポットをガイド。 「ハワイ島の […]

07/19/2018

自然農法を実践する農家カフェからローカルにこだわるグローサリーまで。ハワイ島在住、ロミロミ・プラクティショナーとして多くの人を癒すアリオカ・ジュンカさんがリトリート旅に欠かせないヒーリングスポットをガイド。
「ハワイ島のなかでもコナのある西側とヒロのある東側ではエネルギーもまったく違って、東側はとりわけ火山のエネルギーが強い」というのは、ロミロミ・プラクティショナーのアリオカ・ジュンカさん。2011年、サスティナブルな暮らしを学ぶために渡ったハワイで、偉大なクム、故・アルヴァ・ジェームズ・アンドリューさんと出会い、当時、オアフ島ワイマナロにあった「Pa Ola Hawai’i」でロミロミを学んだ。現在はハワイ島のヒロを拠点に活動中。先代のクムに任命されたグループの若きリーダー、クム・ポーマイカイさんとともに新たなクリニックやクラスを準備する傍ら、個人セッションやプライベートなリトリート・プログラムを提供している。
今回はプログラムを行う際にジュンカさんが訪れる、ヒロおよびプナ地区のスポットをガイドしてもらった。ジュンカさんがリトリートの第一歩として重視するのが、「浄化」。自身もハワイに来て海に宿る浄化のパワーを知ったといい、まずは海のスポットへゲストを案内する。たとえば、ヒロのダウンタウンにあるフォーマイル・ビーチやウォームポンド。どちらもハワイ島の原初の自然のリズムを感じられるパワースポットだ。
「フォーマイルは、マウナ・ケアの雪解け水が海水に流れ込む、いわば禊のスポット。私のリトリートプログラムはここで心と身体を清めてもらうことから始めます。海から上がるとまるで生まれ変わったかのようにすっきりとした気持ちに。反対に、ウォームポンドは火山の地熱で海水が温められた、癒しの温水プール。身体に力が入りすぎていたり緊張しすぎていたり、そんなときは温かな海水に身体を委ねて。プカプカと浮いているだけで、リラックスした状態になるの」
このように自然のなかで自分と向き合う時間を大切にするのは、心と身体、自然の調和がリトリートの真髄と考えるから。それは師匠から学んだ、ロミロミに息づくフィロソフィでもある。
「私自身もハワイ島のダイナミックな自然に触れ、自分を愛し(セルフラブ)、心を見つめ、いたわる(セルフケア)という経験を経て、ようやく自分のルーツを見つけることができました。リトリートではジュースクレンズやマッサージといった身体への施術も行うけれど、同時にセルフラブ、セルフケアという心に働きかけるトリートメントが必要なんです」
心や感情に「ポノ(=調和)」をもたらしてくれるのが、ハワイ島の植物のエネルギー。以前、プナ地区でファーミングを中心とした暮らしを営んでいたジュンカさんは、海のパワーと同様に大地がもたらす育みのエネルギーを重視する。いきいきと生い茂る植物たちは大地が織りなす破壊と再生のプロセスの産物だが、この植物の力を取り入れることができるのがフラワーエッセンスだ。ジュンカさんが頼りにしているのは、「Hawaiian Rainforest Naturals」というフラワーエッセンス。主宰するメリア・グッドナウさん(P.88参照)は、オヒア・レフア熱帯雨林の片隅で植物のエネルギーを閉じ込めたエッセンスをつくるヒーラーだ。
「ハワイ諸島、とりわけハワイ島の花は特別なのよ」とメリアさん。人間の手の及ばない、太古の森が残るハワイ島。ここに咲く花々は、植物が本来もっている純粋なエネルギーを内包するという。
「花の色は朝、昼、晩と時間帯によって変わるし、花はその日のうちに落ちてしまう。けれど、だからこそ花には命のエネルギーが詰まっているの」 
野生の森に咲くこうした花は、特別な方法でひとつひとつ手摘みされ、花に宿るエネルギーをエッセンスに閉じ込める。そうしたエネルギーは人間のエネルギーの乱れを正し、自分を捉えている負の感情や辛い記憶から解放してくれる。「人生をより豊かで美しいものにするためは、今と少しだけ異なる視点が必要」とメリアさんは言うが、自分の人生を違った見方で捉えようとするときに役立つのがフラワーエッセンスなのだ。
一方でこうした大地の恵みを授かるべく、ハワイ島では地域支援型農業が盛んに行われている。ここではオーガニック、ローカル、サステイナブルは当たり前。時代を先取りするような先進的な自然農法に取り組む農家も少なくない。そのひとつが「Kalapana Organic Farm」。
ここを始めた“ジンジャー・ジョン”ことジョン・カヴァーリーさんは、試行錯誤してハワイ島の風土になじむ有機農法を確立した進歩的な農家で、現在は25エーカーの敷地で、クリーンナチュラルファーミングを実践している。ジュンカさんも彼のファーミングクラスを受講したことがあるとか。ジョンさんのパートナーのジャッキーさんと娘のシェリルさんはヒロでローカル&オーガニックのカフェ、「Sweet Cane Café」を営んでおり、こちらでは、彼らが「古代ハワイアンから贈られた癒しのギフト」と呼ぶ有機サトウキビのフレッシュジュースを提供している。農場直送のサトウキビを絞ったジュースは、抗酸化物質、電解質、アミノ酸に優れた健康ドリンク。身体の内側から潤してくれるのだ。
 
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