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堀井和子さんと北東北|PAPERSKY japan club

, 2017/06/19

久しぶりに北奥を旅した。「ほくおう」と言ってもスウェーデンやフィンランドのことではない。青森、秋田、岩手の三県、北東北の話である。

弘前では一本のりんごの木になっているりんごの数の多さに驚き、津軽の工芸を扱う店を訪ね、老舗の洋菓子店でお菓子を買い、街中にある温泉に浸かった。盛岡でも老舗工芸店や南部鉄器の工房など、工芸好き必見の場所を訪ね、独特の喫茶文化が根づくこの街の個性的な喫茶店をはしごしてコーヒーを飲んだ。その土地に行かなければけっして味わうことのできない風土や文化の奥深さをしみじみと感じる旅だった。  

北東北に興味をもったのはだいぶ大人になってから。やっぱり東北の工芸への関心からだった。その魅力を最初に教えてくれたのは堀井和子さんである。スタイリストとして、料理研究家として、ときにエッセイストとして長年にわたり活躍されている堀井さんだが、昨今のように民藝とか工芸といった言葉が身近になるずっと前から、その魅力を紹介し続けてきた人でもある。

堀井さんの北東北紹介が新鮮だったのは、東北の工芸をただ「伝統工芸品」として紹介したからではなく、今の暮らしを楽しむ身近な道具として日本にもこんな素敵なものがありますよと教えてくれたからだ。今でこそ日本各地の工芸を再評価する活動や、普段使いに取り入れるといったことがブームのようになっているが、ひと昔前までは日本の伝統工芸なんて非日常的なもの、あるいはやぼったくて古めかしいものといったイメージが強かったのである。

そんなとき雑誌などで目にした堀井家のダイニングテーブルの風景にハッとさせられた。北欧のモダンな陶磁器やホーロー製品と一緒に、北東北の工芸、たとえばイタヤカエデで編んだカゴや南部鉄器の鍋や鉄瓶、曲げわっぱなどが並んでいても違和感がないどころか不思議なくらい調和していた。さわやかで心地よく、とてもモダンだった。見たことのあるはずのものたちが見たことのない新しい世界をつくっていたのである。

偏見や思い込みに囚われることなくモノそのものを見てその魅力を見出すこと。北東北の工芸を見るたびに、モノを「見る」ということの難しさと堀井和子さんが北東北の工芸に向けたまなざしを思い出すのである。

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