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大野製炭工場のお茶炭|Urban Research Doors 日本のつくり手 第8回

Urban Research Doorsが、PAPERSKYと共に日本各地を巡り、その土地に根ざしたモノづくりを続ける職人をクローズアップする”CRAFTSMAN SERIES”。能登半島の先端に位置する石川県珠洲市、豊 […]

04/20/2017

Urban Research Doorsが、PAPERSKYと共に日本各地を巡り、その土地に根ざしたモノづくりを続ける職人をクローズアップする”CRAFTSMAN SERIES”。能登半島の先端に位置する石川県珠洲市、豊かな里山里海で知られる奥能登で、炭づくりを行う大野長一郎を訪ねた。
大野の父親が製炭業を始めたのは今から45年前。『燃料革命』から10年ほど経ち、炭の需要が減り始めた頃だった。「時代はめぐる、と父は語っていましたが、時代の流れに逆らうことで、未来を模索していたのだと思います。」と大野は振り返る。
父の引退を機に、工場を受け継いだのは22歳のとき。長男としての責任感と環境問題への関心から、生まれ育ったこの地で炭づくりをやっていこうと決めた。父から引き継いだ仕事に加え、新たな試みとして、茶道用の炭づくりも始めた。茶の湯炭に求められるのは、見た目の美しさと燃料としての質。切り口が真円に近く、隙間が均等に細かく入った炭は、火付きが良く、炎や煙が少ない。理想の茶の湯炭をつくるために必要なクヌギは、自ら造成した土地に植林し、時間をかけて育てている。
燃料としてだけではなく、脱臭効果なども注目されている炭。「炭のある暮らしを取り戻すきっかけをつくりたい」と語る、大野の真っ直ぐな目が印象的だった。
Urban Research Doors
http://www.urdoors.com
※ 本誌PAPERSKY #51 掲載 Urban Research Doors CRAFTSMAN SERIES(P.4-5) より