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やまぐちポタリーの陶器|Urban Research Doors 日本のつくり手 第5回

古来より伊勢神宮の参拝客でにぎわう三重県伊勢市。外宮から車で十分ほどの場所に若き陶芸家の工房がある。三重県出身の山口和声は鳥取の窯元で修行を積み、三年前にこの地に戻った。そこは祖父が暮らす家。「小さい頃からこの家が好きで […]

01/19/2017

古来より伊勢神宮の参拝客でにぎわう三重県伊勢市。外宮から車で十分ほどの場所に若き陶芸家の工房がある。三重県出身の山口和声は鳥取の窯元で修行を積み、三年前にこの地に戻った。そこは祖父が暮らす家。「小さい頃からこの家が好きで、いつかここで暮らすような気がしていました」。もともと味噌づくりをしていた祖父宅のガレージを改築し、自らの工房「やまぐちポタリー」を開いた。
山口が得意とするのはスリップウェア。水と粘土を混ぜた「スリップ」と呼ばれる泥漿(でいしょう)で模様を描いた陶器だ。スリップウェアの装飾には武骨でゆったりとした線が多く見られるが、「自分らしく細い線や淡い色合いを表現したい」と山口は語る。真っ赤なベンガラを全体にかけたあと、慎重にスリップを乗せ、筆で模様を仕上げる。窯の中で二十時間焼き、三十時間かけてゆっくりと冷ます。そして窯から出すと、ベンガラの赤色は光沢のある茶色に変化しているのだ。
自分らしさを大切に日々陶芸に向き合う山口の姿を、今もともに暮らす祖父は微笑ましく眺めているに違いない。
やまぐちポタリー
http://www.yamapota.com/
 
Urban Research Doorsが、PAPERSKYと共に日本各地を巡り、その土地に根ざしたモノづくりを続ける職人の方々をクローズアップする”CRAFTSMAN SERIES”。山口和声さんを紹介した第5回は、PAPERSKY #48(P.4-5)に掲載。
Urban Research Doors
http://www.urdoors.com