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Smartwool×PAPERSKY WHOSE SOCKS? vol.19 YUKIさん

本誌との連動企画「Smartwool × PAPERSKY WHOSE SOCKS?」。通気性と保温性にすぐれたスマートウール社のソックスを、毎号、アウトドアやスポーツ等、さまざまな分野でご活躍の方々に履いていただき、本 […]

12/02/2016

本誌との連動企画「Smartwool × PAPERSKY WHOSE SOCKS?」。通気性と保温性にすぐれたスマートウール社のソックスを、毎号、アウトドアやスポーツ等、さまざまな分野でご活躍の方々に履いていただき、本誌ではゲストの足下の写真だけを掲載、それが誰の足かを想像し、ウェブサイトでゲストを紹介するといった企画です。
smartwool × PAPERSKY WHOSE SOCKS?
ANSWER:バイシクルメッセンジャー 小川有紀(YUKI)さん
今回のゲストは、東京を拠点に活動する、バイシクルメッセンジャーのYUKIこと、小川有紀さん。2009年に初出場したメッセンジャーの世界大会「Cycle Messenger World Championships(CMWC)で、女子の部2位、混合でも16位という偉業を成し遂げたYUKIさんは、現在もメッセンジャーという立場で新たな表現を模索し続けています。そんなYUKIさんに、メッセンジャーという職業との出会い、そしてこれまでの活動についてうかがいました。
「小学生の頃から自転車で出かけるのが好きで、校区外に出ることは禁止だったんだけど、よく遠くまでひとりで出かけてました。中学高校の頃も自転車で行ってはいけない繁華街まで映画を見に行ったり、大学時代にはママチャリで京都から日本橋まで自転車で走ったこともありました。とはいえ、大学は美大に進学して、打ち込み系の音楽をやってたんですよ。中学の頃からテクノばかり聴いてて、卒業後も音楽の世界でやっていこうと思ってて。遊びといえば友人とクラブに行ったり、インドアでした」
スポーツやアウトドアには無縁で、汗をかくことはかっこ悪いと思っていたというYUKIさんですが、たまたま手にしたインタビュー記事の言葉に触発され、これまでの暮らしとは180度異なる、メッセンジャーの世界へと転身していきます。
「友人からもらった雑誌にDMBQの増子真二さんのインタビューが載ってて、そこに『自分には後悔してることがある。それは学生時代に友人たちとキャンプとかアウトドアをしてこなかったことだ』って書かれていて、ちょっと驚いたんですよ。でもその言葉が妙にぴんときて。当時、フリーでデザインの仕事もしていたんだけど、何か体を動かす仕事をしてみようかと思うようになって。そんな時にギャラリーで働いてた先輩から、メッセンジャーとして働きながらアーティストをしてるっていう方の話を聞いて、そこで初めてメッセンジャーという職業のことを知りました。自転車に乗ってお金もらえるなんてすごいなって。ちょうどその頃、新しく立ち上げる会社でスタッフの募集があって、その会社に採用されてメッセンジャーを始めることになりました」
1日に平均100km、多い時期で200kmという距離を走り続けるなかで、新たな自分に出会い、新たな仲間も増え、メッセンジャーという職業を通じて、そのフィールドは世界へと広がっていきます。
「少しずつ道を把握していく感覚って、自分を知っていくような感覚なんですよ。それにずっと自転車こいでアドレナリンが出るからか、この業界の人たちってみんな元気でニュートラル! 美大のときは内にこもって制作することが多かったからか、鬱っぽくなる人が多かったんですけど、この世界はまったく違っていて。それと私がメッセンジャーを始めた2005年は、ニューヨークでメッセンジャーの世界大会が開催された年で、おもしろそうだから遊びに行ったんです。そしたら世界中から何千人っていうメッセンジャーが集まってきてて、レースだけじゃなくてアートショーも開催されてて。そこでMADSAKIさんの作品にも出会って、NYでメッセンジャーしながら表現活動している日本人がいるってことにも驚きました。それで自分も世界大会に出たいと思うようになって、帰国後すぐにピストを組んでもらい、国内のレースに参加するようになりました。」
その後、世界大会を目指すメッセンジャーが多く在籍する会社に移籍したYUKIさんは、国内レースに積極的に参加して実力をつけ、2009年に東京で開催された世界大会に出場することに…
「NY以降、ずっと世界大会を目標にしてたんですけど、同じ会社に世界大会に出たい人がたくさんいて、入ったばかりの私にはチャンスが回ってこなかった。でも2009年に東京で開催されることが決まって、ようやく出させてもらえたら女子の部で2位、混合でも16位になって、それからは毎年、世界大会に行かせてもらえるようになりました。ガテマラ、ワルシャワ、マドリッド、ベルリン大会にも出たかな。そこで世界中のメッセンジャーに会ううちに仲間も増えて、言葉は通じなくても自転車という共通したものがあるだけで通じ合えて。そこにはひとつのカルチャーがあって、国とか人種とかの境界線がどんどんなくなっていって、世界はひとつっていう視点を持てたのも大きかったですね。」
昨年からは、旧友が立ち上げたメッセンジャー会社「HÜBNER」に所属し、走るだけでなく新たな活動もスタートさせた。
「今年で2年目になるんですけど、メッセンジャーのヌード写真カレンダーを制作しているんですよ。女の私が監修することになって、写真家の中山正羅くんがHÜBNERのメッセンジャーを撮るっていう。全国の自転車ショップにスポンサーしてもらって、今年は展覧会までさせてもらえて。メッセンジャーの世界っていまだに男性がほとんどなんだけど、女でもこういう仕事ができるってことを伝えたいし、今は社会的なアプローチって意味でも続けているんだと思う。自分の脚を使って、人から人へ物を届けるって、人にとってあるべき姿というか、確かなことをやってるって思うから、そういう意味でもこの仕事を知ってほしいし残していきたいって思いますね。今はカレンダーで忙しいけど、時間ができたらメッセンジャーをテーマにした大人向けの絵本を描いてみたいって思ってます。」
最後に、普段から愛用されているというスマートウール製品について聞かせてください。
「スマートウールはいろいろ愛用してますよ。ケミカルなものは臭くなっちゃうから、ウールがやっぱりいい。食べ物と同じで、体を動かすようになって、より自然に近いものを求めるようになった気がします。スマートウールは、ソックスだけじゃなくて、インナーやネックウォーマーも使ってます。伸縮性もあって体にフィットして、通気性もいいし。私たちの仕事って半端なく汗をかくから、ナイロンとか通気性が悪いと蒸気が溜まってきちゃって大変なんです。だから肌に近いところは、できるだけ天然素材のものにしています。」
 
*本連載「smartwool × PAPERSKY WHOSE SOCKS?」は、今回が最終回となります。長い間、ご愛読くださり、ありがとうございました。
これまでのWHOSE SOCKS? インタビュー一覧はこちら。
http://archive.papersky.jp/tag/whose-socks/
 
smartwool
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足首と土踏まずに4ディグリー・エリートと呼ばれるサポートシステムを採用することで、本格的なアウトドアユースでの足の動きを安定させてくれるPhDシリーズ。ストレッチ性とフィット感に優れ、女性の足に合わせた細めのデザインです。登山などのアウトドアではもちろん、かわいらしいデザインなのでデイリーユースとしてもお使いいただけます。
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