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メイド・イン・ジャパンにこだわるダウンメーカー|PAPERSKY mountain club

ものづくりの国、ニッポン。欧米の登山ブランドは多いけれど、日本にもたくさんのメーカーが存在する。そのなかで、ダウン製品と言えば「ナンガ」が筆頭に挙げられる。 社名はヒマラヤの8,000m峰、ナンガパルバットから考えられた […]

10/11/2016

ものづくりの国、ニッポン。欧米の登山ブランドは多いけれど、日本にもたくさんのメーカーが存在する。そのなかで、ダウン製品と言えば「ナンガ」が筆頭に挙げられる。
社名はヒマラヤの8,000m峰、ナンガパルバットから考えられた。滋賀県米原市に拠点を構え、今年で創業75年を誇る。シュラフやダウンジャケットなどを国内生産にこだわってつくり続ける。多くの登山家の遠征を支える一方、一般登山者やキャンパーにも根強いファンが多い。
この春、私もナンガのシュラフを手に入れた。ものすごいロフト感と感じたことのないダウンの反発力。身体全体がふわりと包まれる幸福感がたまらない。使ってすぐにファンになってしまった。
現在の登山用シュラフの主流ラインナップは「UDD BAG」というシリーズ。「UDD」とは「ultra dry down」の頭文字。ダウンの長所は化繊綿より少量でも暖かいため、軽量でコンパクトになるところ。一方、濡れに弱いのが最大の弱点で、保温性は著しく低下して乾きも遅い。その弱点を克服したのが、ダウンそのものに超撥水加工を施した「UDD」である。この加工により、通常のダウンよりも傷みにくく手入れも簡単、乾燥時間も短くなったという。薬剤には発ガン性物質を含まないものを使用するなど、環境や安全にも配慮されているのがうれしい。これまで感じたことのないダウンの反発力は、この加工によるものらしい。
海外から輸入された高品質原毛は徹底的に管理された国内の工場で洗浄、精製加工され、最高級のダウンになる。熟練した職人たちによってひとつひとつ丁寧に縫製された生地にダウンが詰め込まれ、極上のシュラフができあがる。
驚くのは、ナンガのシュラフであれば無期限、無料で修理してくれる「永久保証」だということ。自社工場での国内生産にこだわるからこそできるきめ細かいサービスである。さらにびっくりなのは、個人のカスタマイズにも応えてくれるということである。たとえば、ダウンの種類や量、生地の色や素材、構造など、自分の好みにあったオリジナルモデルを注文できるのだ。かくいう私のシュラフもそのようにつくってもらった逸品。つくり手の気持ちが直接伝わるシュラフは愛着が増すはずである。カスタマイズは他のダウン製品でも可能。交渉次第なので、興味のある方はぜひお試しあれ。