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WORKING FISHERMAN vol.2 南三陸町歌津泊浜 金比羅丸 髙橋直哉さん

ノルウェー発祥のアウトドアブランド、ヘリーハンセンは、1877年、商船隊の隊長だったヘリー・J・ハンセンが、極寒の海で働く漁師のために、激しい雨や雪、寒さなどから身体を保護する防水ウェアをつくったのがはじまりだった。「H […]

08/02/2016

ノルウェー発祥のアウトドアブランド、ヘリーハンセンは、1877年、商船隊の隊長だったヘリー・J・ハンセンが、極寒の海で働く漁師のために、激しい雨や雪、寒さなどから身体を保護する防水ウェアをつくったのがはじまりだった。「HELLY HANSEN × PAPERSKY WORKING FISHERMAN」は、各地で活躍する若い世代の漁師を訪ね、漁師という職業の魅力や仕事にかける想いを通して、創業時より変わらないヘリーハンセンの精神を再確認していくシリーズ企画。第2回目は、宮城県・南三陸町歌津泊浜へ。
仙台市から約2時間、宮城県北東部に位置し、志津川湾や伊里前湾に面したリアス式海岸が美しい漁村風景を映し出す、南三陸町。江戸時代より山間部は養蚕業で栄え、また、この地域を通る気仙道の宿場町として発展してきた。親潮と黒潮が交わる三陸沖は、古くから世界三大漁場のひとつといわれるほど豊かな漁場で知られ、養殖業が盛んな漁師の町だ。2011年に起きた東日本大震災により、町は津波の甚大な被害を受けたが、現在も復旧作業が続いている。髙橋直哉さんは、20歳で家業であった漁師を継いで、ホタテやわかめ、牡蠣などの養殖業を営む傍ら、震災後、漁業体験を軸にした観光事業を始め、かつてのにぎわいを取り戻すべく地元の海の復興に力を注いでいる。
「代々漁業をやっていて、長男だからいつか漁師を継ぐつもりでした。高校卒業後、社会勉強として仙台で2年間暮らしたあと、20歳で漁師になったんです。海の仕事はどこか田舎くさくて、かっこ悪いものだと考えていて。毎日父親と仕事をしていても、休みが待ち遠しくてしょうがないし、やりがいもあまり感じていなかったですね。
30歳のときに震災に遭い、しばらくは警備員やがれき撤去のアルバイトしてたんですが、翌年の春にわかめの養殖を再開したら、漁業支援としてボランティアに来てくれた人たちが、ここの海産物はすごく美味しい、海がきれい、漁師はかっこいいと言ってくれて。そこではじめて地元の海が恵まれていて、本当に美味しいものが穫れることに気づかされたんです。とはいえ、震災後は生産量が激減したので、養殖以外で何か収入を得られないかと考え、震災以降、漁から離れていた仲間にも声をかけて、2013年に「ブルーツーリズム」を立ち上げました。観光客に向け、釣り船の体験や旬の海産物が穫れる漁業体験を新たな事業として始めたら、南三陸町にも少しずつ人が戻ってくるようになって。地元の人々とも連携したり、漁業体験に来た方が新しい顧客になったりと、良い循環が生まれています。
また、東北から新しい水産業のかたちを提案する若手漁師の集団「フィッシャーマンジャパン」にも参加し、以前はライバルだと思っていた他の地域の若い世代の漁師とも交流するようになりました。東北各地でがんばっている漁師たちが手を組むことで、市場に出回る海産物が尽きないように補い合うこともできるし、卸先も東北から全国へと拡大していける。各地で開催されるイベントにも出店し、穫れたての魚を直接販売するようにもなって、お客さんの生の声を聞く機会も増えました。
あの震災がきっかけで、自分は本物の漁師になれた気がします。今は海の仕事が誇りですね。休みもいらないほど充実した毎日で、ずっと海にいたいくらいです。」
 
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