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海遍路・有明海編 シーカヤックで渡る「海遍路」で学ぶ、リアルな海

海遍路は、お遍路のようにシーカヤックで漁村を渡り、村民たちの声を世の中に発信する旅だ。モーターボートでは遠く感じる漁師との心の距離も、シーカヤックならぐっと近づくことができる。海遍路が発足して5年目。選ばれた舞台は、九州 […]

05/23/2016

海遍路は、お遍路のようにシーカヤックで漁村を渡り、村民たちの声を世の中に発信する旅だ。モーターボートでは遠く感じる漁師との心の距離も、シーカヤックならぐっと近づくことができる。海遍路が発足して5年目。選ばれた舞台は、九州の有明海だ。一行のリーダーは、オーストラリアから日本までシーカヤックで渡ることを試みる八幡暁さん。
有明海をまわって、終始耳にするキーワードは「アサリ」だった。航路スタートの前日、夜な夜な4トントラックが次々と浜辺に入ってくるや否や、荷台を高く傾け大量にアサリを吐き出していた。中国産のアサリを有明海に放し、”有明海産”として市場にまわるものだった。
干潮時には8kmもの広大な干潟が浮かび上がる熊本県荒尾漁村では、たくさんの漁師たちがアナジャコ漁をしていた。「かつてこの場所ではアサリが獲れたけど、いまではさっぱり。だけど、代わりにアナジャコが獲れるようになった」と、御歳91歳になる海女は教えてくれた。高校卒業以来、漁師一本。やさしくて、力強い目をした海女さんだった。
アサリだけでない。諫早湾干拓や石木ダム、筑後大堰など人間による開発によって海の生き物が減り、海で遊ぶ子どもたちは珍奇生物となった。それでも、自然とともに生きる未来をつくっていくために、今できることは。それを肌で感じ、五感で学び、現地の人を訪ねる旅。便利になった現代社会だからこそ、「人力」で訪ねる意味があるのだ。
今年の海遍路は神奈川県小田原市からスタートし、横浜まで例年同様に手漕ぎのシーカヤックでわたり訪ねる。関東近郊の海には、どんな暮らしがあるのだろう。まだ見ぬ出会いに胸を踊らせている。
下記サイトに航海日程が掲載されています。お気軽にご参加ください(参加無料)。
日程:2016年5月18日〜5月28日
行程:神奈川県海岸線
海遍路 公式ウェブサイト
http://umihenro.com/