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予約必至の人気店「客家小館」の辣椒包肉

台北の人気店「客家小館」は通常、取材を受けない。オーナーシェフのルイス・ローさんによれば「料理の本当の味は“美食家”でなければ判断できない、そうでない人に店の評価を任せられない」から。では、美食家の定義とは具体的になんな […]

02/24/2016

台北の人気店「客家小館」は通常、取材を受けない。オーナーシェフのルイス・ローさんによれば「料理の本当の味は“美食家”でなければ判断できない、そうでない人に店の評価を任せられない」から。では、美食家の定義とは具体的になんなのか。「大事なのは育った環境。幼少時から親とともに食事しながら味について話し合う環境があるからこそ、自分の舌の基準ができていくんだ」。おいしいものをただ食すだけではなく「ともに食事する時間を大切にすることで、本物の味がわかるようになる」。なるほど、食べることに栄養摂取以上の価値を見出す人間にとって、ある意味、食の本質を突いた一家言だ。
食通を気取る輩を一蹴する厳しさのあるルイスさんは、話してみるとじつに豪快で気前のいい人だった。開店前の慌ただしいなか、厨房に雅代さんを招き自ら辣椒包肉づくりを披露してくれたし、味見した唐辛子の思わぬ辛さで口をしびれさせていると仙草ゼリーを皆にふるまってくれた。ルイスさんの先祖は福建省出身。辣椒包肉は上海の家庭料理だそうだ。客家小館のそれが特別なのは、台湾では生産困難な小青椒を台湾の陽明山で特注しているから。
開業して22年、今はいわば大学生なのだとルイスさん。これから修士課程に入るという時期、宜蘭に究極の拠点をつくり始めた。キッチンを主軸にしたヴィラで、インテリア選びはもちろん、庭の木までも自ら探し植栽している。食材はすべて自家製を目指す。自分のすべてをつぎ込むつもりだ。「食べることもひとつの芸術」というルイスさんの城は、生産も料理も経営も、食を中心に据えて生き方を学べる特別な場所になるのだろう。
客家小館/GARDEN h
新北市永和區智光街22號
» PAPERSKY #49 Taiwan | COOK Issue