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ブランチはホーリーウォーターに敬意を表して

デートといえば、買い物に映画、遊園地、そしてエビ釣り。ん? …台湾ではエビ釣り場が普通にデートスポットとして認識されている、らしい。たとえば台北郊外の士林区はエビで有名だ。実際にエビが生息している渓流があるが、それはそれ […]

12/15/2015

デートといえば、買い物に映画、遊園地、そしてエビ釣り。ん? …台湾ではエビ釣り場が普通にデートスポットとして認識されている、らしい。たとえば台北郊外の士林区はエビで有名だ。実際にエビが生息している渓流があるが、それはそれとして、養殖のエビを仕入れて放流しているエビ釣り場がいくつかある。なぜか夜通し、あるいは24時間営業していたりして、台湾の人たちの時間潰し(?)にも役立っているようだ。
チャチャさんはそのエビ釣り場で、早朝からエビを釣ってくれていた。その釣果で、優雅な「二日酔いの朝、飲んべえの休日を始めるための最適なメニュー」をつくってくれた。みんなでいただいていると、チャチャさんが「ちょっと、そこのホーリーウォーターを取ってくれる?」と言う。訝しく思う隙もないほどかくも自然に出てきた言葉だが、お酒を表す彼独特の表現だ。「僕がお酒のことをこう呼ぶのを友人たちは知っているけど、奥さんは知らないんだ。僕が飲みたがると怒るんでね(笑)」。
そんな、本気と冗談の境目がわからないひょうひょうととしたチャチャさんは、新進気鋭の建築家。親の教育方針で幼少時は家族と離れパラオで育ったという謎の経歴をもつ。建築は台湾とバリで学んだ。ここ「少少」もチャチャさんの設計によるもので、少少は英語ならless-less、つまり省くという意味。ただでさえ町にはたくさんの建物があるから、山のなかに建てるのだったらなるべくシンプルにという思いから、ランの温室構造を踏襲した。植物のための建造物は、等しく人間のためにもなるはずだという考えから、農業関連の建造物には普段から注目しているそうだ。
» PAPERSKY #49 Taiwan | COOK Issue