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会津への旅 #2 縄文時代より受け継がれる 雪国の手仕事

山深い木々のなか、他の樹木に絡まりながら成長し、秋には甘酸っぱい実をたわわに実らせるヤマブドウ。福島県西部に位置する奥会津地方では、このヤマブドウの蔓を使った編み組細工が古来より受け継がれてきた。 「ヤマブドウの蔓を採る […]

11/25/2015

山深い木々のなか、他の樹木に絡まりながら成長し、秋には甘酸っぱい実をたわわに実らせるヤマブドウ。福島県西部に位置する奥会津地方では、このヤマブドウの蔓を使った編み組細工が古来より受け継がれてきた。
「ヤマブドウの蔓を採ることができるのは、1年のうちで6月後半の2週間しかないんです。その前だと蔓の皮に含まれる水分が少なく、7月に入ると今度は皮が厚くなりすぎてしまうんですね。だからその期間はみんなもう夢中です。ある知人は夢中になりすぎて、山でクマと鉢合わせになったと言ってました」と話すのは、奥会津編み組細工・伝統工芸士のひとり五十嵐喜良さん。春から秋にかけては米作りに従事し、一面が雪で覆われる冬になると編み組細工に勤しむのだという。
全国でも有数の豪雪地帯である奥会津地方。「雪降っちまえば、なんもすること無いですからね。」と五十嵐さんも言うように、雪に覆われ農作業ができなくなる冬場の時間が、奥会津の豊かな編み組細工の技術を発展させてきた。古い地層からもヤマブドウの籠は多く出土しており、その起源は遥か縄文時代まで遡ることができるという。ただ、伝えられてきたのは伝統の知恵や技術だけではなく、家族全員で囲炉裏の火を囲み、手仕事をしながら昔話や民話、武勇伝を語らうライフスタイルそのものだったに違いない。
2002年には国の伝統的工芸品に指定された奥会津の編み組細工。奥会津の三島町にある三島町生活工芸館では、「森のエルメス、山のルイヴィトン」と言われるヤマブドウ蔓のバッグなどの工芸品の販売をおこなうほか、編み組細工を体験できるワークショップも開催している。もともとは山中での厳しい作業時に使う目的で作られてきたヤマブドウ蔓バッグの頑丈さは折り紙つきで、伝統工芸士が一点一点手作りで作るバッグは、生産が間に合わないほどの人気だという。福島に訪れた際は、ぜひこちらに立ち寄ってみてはいかがだろう。
 
【ツアー情報】
ツアーでは、貴重なヤマブドウの蔓を作ったストラップ作りを体験することができる。また三島生活工芸館では、ヤマブドウ蔓以外の素材を使ったさまざまな工芸品を購入することもできる。
ツアーの詳細はコチラ
https://www.govoyagin.com/pges/tohoku
三島生活工芸館
〒969-7402
福島県大沼郡美島町大字名入字諏訪ノ上395
tel:0241-48-5502
fax:0241-52-2175
URL: http://www.okuaizu-amikumi.jp
営業時間:09:00~17:00
定休日:月曜日、祝日の翌日、年末年始