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会津への旅 #1 歴史と文化を伝える技 会津本郷焼・宗像窯を訪ねて

その町に住む人々との交流や、その土地ならではの旅体験を提案するウェブサイト、Voyagin(ボヤジン)。私たちは今回そのVayaginが企画するツアーに参加し、福島県会津地方を旅した。日本の東北、福島県会津地方に伝わる伝 […]

11/20/2015

その町に住む人々との交流や、その土地ならではの旅体験を提案するウェブサイト、Voyagin(ボヤジン)。私たちは今回そのVayaginが企画するツアーに参加し、福島県会津地方を旅した。日本の東北、福島県会津地方に伝わる伝統工芸やその技を受け継ぐ人々に出会う旅。それは、いままで見たことのない日本の新たな一面を知る旅となった。
江戸時代に会津藩の城下町として発展を遂げ、良質な日本酒の生産地としても知られる会津若松。私たちはまず、長い歴史と豊かな食文化を持つ会津若松の伝統工芸である「会津本郷焼」の窯元である宗像窯を訪ねた。
かつて会津本郷焼は、赤松を燃料に用いる「登り窯」で焼成されていたが、時代とともに登り窯はガス窯に取って代わり、現在では宗像窯の登り窯がこの地方に現存する最後の窯となってしまった。
「2011年の東日本大震災でこの登り窯も大きく損傷してしまいましたが、多くの人のお力により2012年に修復が完了しました。実際に火を入れる機会は少ないですが、会津本郷焼のシンボルになっています」とは、九代目当主の宗像利訓さん。
山深くにある会津地方では、貴重な海のタンパク源を得るために陶芸の文化とともに保存食の文化も発展した。そのひとつが「にしんの山椒漬け」。山椒の葉やお酢等でにしんを漬けるこの郷土料理には、会津本郷焼で作る「にしん鉢」という専用の鉢が欠かせない。かつては嫁入り道具のひとつだったという「にしん鉢」。器自体が呼吸し、湿度や温度を調整してくれるこの鉢でないとにしんがうまく漬からないのだという。またこの「にしん鉢」はデザイン的にも優れ、宗像窯が作るにしん鉢は1958年に開催されたベルギーブリュッセル万国博覧会でグランプリを受賞した。
「昔ながらの茶器や茶道の道具、にしん鉢等も作っていますが、日常使いしていただける皿や湯のみ等も精力的に作っております。また、近代の日本人の食の変化にも合わせて制作するようになったパスタ皿やスープ皿も人気を頂いております」と利訓さん。
宗像窯の工房では器の販売もおこなっているほか、登り窯の見学も随時受け付けている。伝統を守りながらも時代の流れを取り入れる若き当主の言葉は力強く、明るく前を向いていた。
 
【ツアー情報】
Voyaginが企画するツアーでは登り窯見学の後、自分だけのオリジナル陶器作りを体験することもできる。器の形は自由で、色も本郷焼伝統の飴釉や灰釉から選ぶことができる。
ツアー詳細はコチラ
https://www.govoyagin.com/pages/tohoku
宗像窯
〒969-6071
福島県大沼郡会津美里町字本郷上3115番地
tel:0242-56-2174
fax:0242-56-3909
URL: http://www.munakatagama.net
営業時間:09:00~17:00
定休日:水曜日