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クラシックな手製のウッドボートは工芸品|Red Sky Craft

南にバルト海、東にボスニア湾を望み、内陸部は何千もの湖と島にあふれた湖水地方を擁するフィンランドの人々にとって、水辺は森と同じくらい親しい存在。もちろんカヌーやカヤックでの遊びも盛んだし、個人でモーターボート(小型船舶) […]

09/07/2015

南にバルト海、東にボスニア湾を望み、内陸部は何千もの湖と島にあふれた湖水地方を擁するフィンランドの人々にとって、水辺は森と同じくらい親しい存在。もちろんカヌーやカヤックでの遊びも盛んだし、個人でモーターボート(小型船舶)を所有して休日に釣りやクルージングを楽しむ人も少なくない。こうしたボートは現在はグラスファイバー(FRP)製が主流だが、かつてはもちろん森から採れる木を素材としており、現在もクラシックなウッドクラフトのボートを愛好する人々は多い。ビルダーによってひとつひとつハンドメイドで、手間ひまをかけてつくられるボートはFRP製のそれよりも圧倒的に美しいからだ。コトカにある「Red Sky Craft」はそうしたハンドメイドのボートを手がける会社のひとつ。大空間の工房内には製造中の大きなボートがまるごと一艇入り、そのまわりには足場が組まれている。03年に同社を立ち上げたオーナーのアラン・サヴォライネンさんはかつてハウスメーカーで働いていたとか。「家を建てる難しさを1とすれば、船をつくるのは10だよ。もちろん、日本の大工がつくる伝統的な木造家屋なら別だけどね」。デッキ、ハードトップ、ハッチなど大小のパーツを大量に組み合わせていく製造工程は職人技。使われる木はマホガニーやアッシュ、チークなど。伝統的なロウボートでは地元産のパインが使われることが多い。設計図はコンピュータソフトではなく紙と鉛筆を使い、ゼロから描き上げる。「オールドファッションだろ?」とアランさんは笑うが、そうした工程を経て完成する木造艇はまさに光り輝く工芸品。高級車が数台買えるほど高価にもかかわらず、マニアが絶えないのも頷けるほどの魅力にあふれている。
Red Sky Craft
http://www.redsky.fi/
 
» PAPERSKY #48 Finland | Wood Issue