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デート目線で旅するトーキョー|PAPERSKY book club

デートがお互いを知るための手段としてではなくて、デートそのものがデートの目的になることを発見したのが、小林エリカ、田部井美奈、野川かさね、前田ひさえによるクリエイティブユニット「kvina」。それぞれがアーティスト、グラ […]

06/11/2015

デートがお互いを知るための手段としてではなくて、デートそのものがデートの目的になることを発見したのが、小林エリカ、田部井美奈、野川かさね、前田ひさえによるクリエイティブユニット「kvina」。それぞれがアーティスト、グラフィックデザイナー、写真家、イラストレーターとして活躍する能力と、彼女たちが通過してきた文化と、女性ならではの妄想力を持ち寄った、デートをキーワードにした東京ガイドブック、のような不思議な本が生まれました。
「若草姉妹」の四姉妹それぞれのデートプランから(メグの待ち合わせはシェリーの詩集を読みながら、馬車の代わりに車で白金をドライブ。といった具合)、「〇〇とデート」では夏目漱石とともに後楽園スパラクーアでの入浴を妄想し、巻末の袋綴じ風別綴じページには男子グラビア&官能小説! と、徹頭徹尾女子目線。建築巡りもショッピングもレストランもファッションもプレゼントも、デートで行くならと考えると、載っている情報は同じでも、どこか秘めやかで親密な特別なものに見えてきます。いちいちちょっとしたポエムやドリーミーなイラストが添えられて、もはや相手の存在すら怪しいくらいの振り切り方ですが、それこそが彼女たちの理想のデートなのだから仕方がありません。
移動を旅行と呼んだ瞬間、どこに行くかよりも、どうやって行くかだったり、何を持っていくかだったり、そして誰と行くかだったりって無限の楽しみが生まれるように、ふたりで会うことをデートと呼んでしまえば、なんだかワクワクしてきます。
すっかりkvinaにあてられて、こんな気持ち悪いことを書いてしまいましたが、そんな気にもなる春らしく浮かれた一冊でした。
恋する東京 東京デートガイドブック 
kvina著 京阪神エルマガジン社 1,600円+TAX
http://lmaga.jp/book/koisuru_tokyo.html