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鳥の眼で俯瞰する、知られざるアルプスの風景

ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア、スロベニア、リヒテンシュタイン、スイスの七ヵ国にまたがって4,000m級の名峰が連なるヨーロッパアルプス。東西約1,000km、南北約150kmの広大な山岳地帯は、日本の本州とほ […]

05/27/2015

ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア、スロベニア、リヒテンシュタイン、スイスの七ヵ国にまたがって4,000m級の名峰が連なるヨーロッパアルプス。東西約1,000km、南北約150kmの広大な山岳地帯は、日本の本州とほぼ同じ面積を誇る。そんなヨーロッパアルプスを、これまでにない独自の視点で紹介したのが、4月18日(土)から公開されているドキュメンタリー映画『アルプス 天空の交響曲』である。
本作の最大の特徴は、ほぼすべての映像が空から撮られていることである。シネフレックスカメラという、時速320kmまで撮影可能で、高さ数千メートルからぶれることなく地面をズーム撮影できるという超高性能カメラが用いられ、山岳風景はもちろん、人々や動物の姿、大空を舞う鷲をも躍動感あふれる映像で描き出している。もちろん、珠玉のような映像は卓越した感性と技術をもつ制作チームによるものであることは言うまでもない。
これまで数々の登山家がそれぞれの物語を繰り広げ、現在もなお登山家の夢と憧れと絶望が刻まれ続けているアルプス。しかし、アルプスを空から俯瞰した風景は著名な登山家でさえ見たことはないだろう。登場する風景は観光名所にとどまらず、人知れず岩山の絶頂に鎮座する十字架だったり、山の奥深くに轟く大滝だったり、太古からの造山活動によって形成された地層や悠久の時をかけて流れ下る氷河の幾何学的な模様だったり、アルプスの恵みを糧に山麓で暮らす人々の姿であったりする。それらはアルプスに隠された宝石のような風景に思えてくる。ただ単に美しい風景を羅列するのではなく、その先にある世界を、見て、感じて、考えることのできるドキュメンタリーなのである。
日本語のナレーションは女優の小林聡美さん。極上の映像とともに、詩的なナレーションも魅力だ。映画はすでに公開中。今まで知らなかったアルプスとの出会いが、そこにある。
『アルプス 天空の交響曲』 監督:ペーター・バーデーレ&セバスチャン・リンデマン
alps-tenkuu.com