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昼さがりの峠へ、宵待ちサイクリング|PAPERSKY Bicycle Club

, 2015/01/15

早起きして人の気配が少ない町や山里を走ることは気持ちいい、ということは、なんとなく頭では理解できている。ところが朝が苦手な者にとって、それはなかなか習慣になりにくい。一方、どんな季節も楽しみな時間といえば、太陽が今日という日に別れを告げる夕暮れどきだろう。だとしたら、その時間を狙って出かければいいのだ! というのが、最近の嬉しい気づきなのだ。

会社や部屋に閉じこもりの息苦しさから解き放たれようと、外へ出て西の彼方に目をやる。すると、空の向こうへ去ろうとするお日さまが町と空をいろんな色に染める様子に、肩の力がみるみる抜けてゆく。あぁ、もう明日を迎えてしまう……と一抹の寂しさも漂うのだけれど、このロマンティックな時間は、紛れもなく美しい。

待ち合わせは、午後。めあての喫茶で少し遅めの昼食を堪能して、峠をめざす。案内役の友が、その季節がやってくると紅葉パトロールのため頻繁にやってくるというコースは、午後の約3〜4時間のサイクリングにちょうどいい距離だ。快晴の日の午後も、峠の木陰は少しひんやりする。細く薄暗い山道で対向車も容赦なくやってくるから、いつもなら夕方にバッグから取り出して装着するknog(自転車用ライト)も、午後の明るい時間から活躍する。その様は、まさに宵の明星、夕暮れを迎える私たちの最高の相棒だ。

彩りあざやかな山の景色に感動した心のまま町へ降りると、刻々と変化する空と町、町ゆく人から、時間と季節のうつろいを感じる“逃したくない”瞬間を迎えている。その様子を、歩くのでもなくバスの窓からでもなく、自転車のうえから違うスピードと視点で眺める。宵待ちのひとときを、こんな風に体感できることって、つくづく幸せなことだと思う。

さて、この“宵待ち”というロマンティックなお楽しみ。6月にも開催されるL’Eroica Britannia(前号のBicycle Clubページ参照)に向けたトレーニングもかねて、ツール・ド・ニッポンの旅に、峠へ立ち向かう自転車企画、盛り込んでみようかな。
 
» PAPERSKY #46 Northern Japan | Jomon & Craft Beer Issue

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