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よりよく生きるためのエナジーバー|Papersky Book Club

赤い道を行くのか、それとも白い道を行くのか…。2000年のある日、クリフ・バー社の社長、ゲーリー・エリクソンは悩んでいた。赤い道は6,000万ドルの買収提案を受け入れること。広くまっすぐの赤い道を行けば、一夜にして大金持 […]

09/18/2014

赤い道を行くのか、それとも白い道を行くのか…。2000年のある日、クリフ・バー社の社長、ゲーリー・エリクソンは悩んでいた。赤い道は6,000万ドルの買収提案を受け入れること。広くまっすぐの赤い道を行けば、一夜にして大金持ちだが会社は明日から他人のものだ。白い道は買収を断り自身で経営を続けること。自転車や自分の足でしか通れない白い道には、効率的な移動はない代わりに、道なき道をつくる工夫や創造がある。
安心な素材と素材を活かした調理法で、今までのエナジーバーのケミカルなイメージを一変させた「クリフ・バー」を生み出し、アスリートや健康食品の愛好者に広く認知されたクリフ・バー社。株式公開やバイアウトといった一般的な現代企業の成功に背を向けた経営論がこの本の魅力だ。
創業者で、今なお自身で経営を続ける彼が最も大切にするのは、クリフ・エコシステムと呼ばれる5つのルール。「ブランドの維持」「自分たちの会社であること」「自分たちが社員であること」「コミュニティの一部であること」、そして「私たちの惑星(地球)にいること」。ブランドを育てる熱意のある人々を雇い、質の高い製品をつくり、儲けたお金はより良い社会へインパクトを与える力に使う。その繰り返しで徐々に前に進んでいく。
それは、自転車やクライミングといった本人にとっては絶対に止められない趣味やスポーツと、どうすれば同じように毎日の仕事に取り組めるのかという、素朴な問いへのほぼ唯一の回答でもある。
 
レイジング・ザ・バー 妥協しない物つくりの成功物語 
ゲーリー・エリクソン 著 ルイス・ロレンツェン 共著/谷克二 訳
株式会社エイアンドエフ 2,808円
 
» PAPERSKY #45 Colorado | Bouldering & Hot Springs Issue (no.45)