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ビッティで、羊飼いの暮らしぶりから羊の恩恵を学び、堪能する

今回の旅で6泊もお世話になったアグリツーリズモのErtilaでは、朝食はミルクにヨーグルトとプリン、夕食は肉や内臓の料理と、終始、羊のお世話になりっぱなしだった。そんな羊の国・サルデーニャでチーズといえば、主役は当然ペコ […]

07/14/2014

今回の旅で6泊もお世話になったアグリツーリズモのErtilaでは、朝食はミルクにヨーグルトとプリン、夕食は肉や内臓の料理と、終始、羊のお世話になりっぱなしだった。そんな羊の国・サルデーニャでチーズといえば、主役は当然ペコリーノ(羊乳のチーズ)。カース・マルツゥという蛆虫入りペコリーノは少々特殊なので別枠扱いにするとして、日本人にはわりと多い羊のチーズは苦手という人でも、ペコリーノ・サルドの味わい深さには開眼してしまうと思う。サルデーニャ産だけが名乗ることのできるDOC(原産地名称保護制度)指定のチーズだ。熟成の進んだマトゥーロなどは、凝縮された強い味で、バランスのよい酸味と辛みがきっとクセになる。
さて、Ertilaではサルデーニャならではの食べ物づくり体験もできるが、今回見せてもらったのはペコリーノである。宿泊者には体験プログラムでも、ここに暮らす彼らにとってはどれも日常の仕事だ。オーナーのピゴッツィ・デムータスさんは50Lの集乳缶を軽々と担ぎ上げ、羊乳を大鍋に入れた。レンネット(子牛の胃液)を加えて火にかけ、ピゴッツィ・パパがゆっくりと撹拌する。フレッシュチーズにするなら温度は35~40°Cほど。残ったホエイはリコッタになる。いつのまにか犬猫たちが集まってきた。おいしいおこぼれをもらえるかもしれないことを、みんな知っているのだ。
できたてのリコッタをたっぷり和えたパスタで至福のランチ。大のチーズ嫌いのルーカスが「おいしい!」とパクパク食べるので奇跡が起きたかと思ったが、なんでもリコッタは「チーズづくりの際にできる副産物であって、厳密にはチーズの範疇には入らない」とのこと。これをなーんだ、ととるか、苦手を克服した! ととるかは、本人次第だ。
 
» PAPERSKY #44 Sardegna | FOOD Issue (no.44)