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地元で情熱をもって働く職人たちを訪ねて|Julian Gatto

メフンへのジュリアンがガイドするのは、自宅の半径数百メートル以内の場所が中心のローカルツアー。世界で活動する彼にとって、「地元」とはどんな意味があるのだろう?  「僕はアルゼンチン生まれで、ニューヨークの大学でアートを学 […]

03/11/2014

メフンへのジュリアンがガイドするのは、自宅の半径数百メートル以内の場所が中心のローカルツアー。世界で活動する彼にとって、「地元」とはどんな意味があるのだろう? 
「僕はアルゼンチン生まれで、ニューヨークの大学でアートを学んだ。欧米にくらべたらアルゼンチンのアート市場は小さいよね。だけど、だからこそ自由な活動ができるし、安い生活費でマイペースに作品制作ができるから、ここへ戻ることにしたんだ。今回案内するのは、そうした暮らしのなかで知った素敵な人たちを紹介したかったから。彼らはみんな『職人』、つまり仕事に情熱をもって取り組んでいる人たち。彼らみたいな、自分のまわりにいる人間やものごとのなかに、美しさやおもしろさを見つけることが大事だと思うんだ」。
そう語るジュリアンがまず案内してくれたのは、自宅近くの小さなクリーニング店。沖縄出身の日系移民の父が35年前に開業した店を、息子である現在の主人が継いだそうだ。「うちではネクタイの縫製をほどいて、隅々まで掃除して、もう一度縫うのさ」と主人はていねいな仕事に胸を張る。その店のすぐ近くには、1961年に父が開店した肉屋をいまも守りつづける日系2世のローザ・セツコ・ショキダさんがいる。そこから歩いて10分ほど行くと、イタリア移民の自転車レース選手だったホセ・ルイス・ブサートさんが1946年に創業した自転車店がある。ホセさんは残念ながら昨年、93歳で亡くなったが、店は80歳になるお母さんと3人の息子たちがいまも元気に切り盛りしている。夫のことを懐かしそうに話すお母さんは、子どものころからこの店のすぐ向かいに住んでいたんだとか。やっぱり素敵なものは、身近な場所にあるのだ。
mejunje
http://mejunjeando.blogspot.jp/
アルゼンチンアート|メフンへ Mercedes Villalba
http://archive.papersky.jp/2014/01/23/botanical-art-mercedes-villalba/
This story originally appeared in PAPERSKY’s ARGENTINA | ART Issue (no.43)