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増山たづ子 写真展『すべて写真になる日まで』

静岡県にあるIZU PHOTO MUSEUMにて、10月6日より「カメラばあちゃん」として知られる増山たづ子の展覧会が開催されます。岐阜県徳山村で生まれ育った増山は戦争で夫を亡くした後、村で農業のかたわら民宿を営みながら […]

10/04/2013

静岡県にあるIZU PHOTO MUSEUMにて、10月6日より「カメラばあちゃん」として知られる増山たづ子の展覧会が開催されます。岐阜県徳山村で生まれ育った増山は戦争で夫を亡くした後、村で農業のかたわら民宿を営みながら暮らしていました。1957年、この静かな山村にダム計画が立ち上がり「皆が笑って過ごす天国のガイ(様)」と増山がいう徳山村も推進派と慎重派に二分されます。増山がそれまで使ったこともなかったカメラを手に取ったのは、徳山ダム計画が現実味を帯びてきた1977年、ちょうど60歳の時でした。「国が一度やろうと思ったことは、戦争もダムも必ずやる」と縄文時代から続くという村のミナシマイ(最後) を前に、せめて残せるものを残そうと愛機・ピッカリコニカで故郷の村をすみずみまで撮影して歩きました。そんな増山はたびたびマスコミにも取り上げられ「カメラばあちゃん」の愛称で知られるようになりました。村民運動会で初めて写真を撮影して以降、年金のほとんどを写真につぎ込みながら1987年の廃村後も通い、2006年に88歳で亡くなるまで消えゆく故郷を撮り続けました。あとには約10万カットのネガと600冊のアルバムが残されました。2008年、計画から半世紀を経て徳山ダムは完成し、かつて村のあった場所は水の底へ沈みました が、残された写真は在りし日の徳山村の姿を今に伝えてくれます。本展では増山のアルバムや彼女自身の手で録音された村の音、村の植物でつくられた押し花を中心に展示します。
増山たづ子 写真展『すべて写真になる日まで』 
会場:IZU PHOTO MUSEUM
静岡県長泉町東野クレマチスの丘 (スルガ平)347-1
会期:2013年10月6日(日) – 2014年3月2日(日)
IZU PHOTO MUSEUM
http://www.izuphoto-museum.jp/