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「オシャレ、かもしれない」 という名のフランス料理店

赤いバンケットに15席ほどの客席、台所道具や雑貨が整然に並んだ棚、どこか温もりを感じる、八丁堀のフランス料理店「CHIC peut-être(シック プッテートル)」。フランス語で「垢抜けている、かもしれない」という意味 […]

06/19/2013

赤いバンケットに15席ほどの客席、台所道具や雑貨が整然に並んだ棚、どこか温もりを感じる、八丁堀のフランス料理店「CHIC peut-être(シック プッテートル)」。フランス語で「垢抜けている、かもしれない」という意味らしいが、それは料理人の姿勢を表しているように思える。いわゆるオシャレではなく、さり気なくエレガンスを感じさせる店なのだ。八丁堀のような少しさびれた街に、店を構えるのが意外に思われるかもしれないが、ここから数分で歩いていける日本橋や茅場町周辺は、長い間、その土地に精神を根づかせ、いまなお健全で慎ましく営業を続ける老舗の飲食店が多いエリアでもある。
シェフの生井祐介さんは軽井沢のレストランで経験を積み、地産地消にこだわった料理で腕を磨いてきた。オーナー兼ソムリエの星壽仁さんは、その料理を最初に味わった時、「見た目だけではない食べ応えがある」と深い印象を受け、それまでイタリアンのお店にしか携わってこなかったにも関わらず、生井さんと店をオープンさせることにしたという。
2500円のおまかせランチコースの内容が、思ったより贅沢ながら独自の調和もなし遂げている。カワハギのフリットとオニオングラタンスープのアミューズの次に、サバをあぶったコンフィとリエットには、春野菜と新芽と黒胡麻ソースが添えられていた。メインは舌に溶け込む和牛ほほ肉の赤ワインブレーゼ。デザートはフロマージュブランのトロトロプリン。締めには、コーヒーとオーブンから取り出したてのカリッとしたプチフールが提供された。
手ごろの価格で満喫できるフレンチが最近増えつつも、お皿にシェフの素顔がいきいきと伝わってくるような個性を見事に演出したこのレストランは、未だに珍味のような存在、かもしれない。
CHIC peut-être(シック プッテートル)
中央区八丁堀3-6-3高野サンパレスビル1F
TEL:03-5542-0884