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ルツェルンの古い街並みが生む水の風景

ルツェルン中央駅から旧市街地に向かって歩くと、ロイス川を斜めに横切るように架けられた木造の橋と、中世の面影を色濃く残した街並みが現れる。スイスのほぼ中央に位置するルツェルンは、800年以上の歴史をもつ古い都市のひとつ。ロ […]

12/14/2012

ルツェルン中央駅から旧市街地に向かって歩くと、ロイス川を斜めに横切るように架けられた木造の橋と、中世の面影を色濃く残した街並みが現れる。スイスのほぼ中央に位置するルツェルンは、800年以上の歴史をもつ古い都市のひとつ。ロイス川沿いに築かれた旧市街地は、往時の街並みをとどめ、その美しいたたずまいから観光都市として人気が高い。
国土の7割が山で覆われている山岳国のスイスは、美しい川や湖が多く、都市の大多数は水辺にある。ルツェルンも例にたがわず、ロイス川とルツェルン湖によって生まれる風景が魅力だ。その景観をさらに印象的なものにしているのが、ふたつの古い橋だろう。ひとつがヨーロッパ最古の木造の橋、カペル橋。湖からの敵が侵入してくるのを防ぐための城壁の一部として、1333年に建てられた。山型の屋根の内側には三角形の絵画がはめこまれていて、スイスやルツェルンの歴史を110枚の絵でいまに伝えている。カペル橋からロイス川を少し下っていくと、もうひとつの木橋のシュプロイヤー橋が見えてくる。こちらは、1408年に完成。橋のたもとには、かつて小麦などをひく動力として使われていた水車が大きな音をたてながらまわっていた。そのため、あたりが暗闇に包まれると、橋の上は格好の密談場所だったとか。大切な話も、水車の音に紛れて他人には聞かれる心配がなかったという。
ところで、スイスの人たちは川で泳ぐのが大好きなのだが、ルツェルンの市街地では流れの速いロイス川は遊泳禁止。泳ぐならルツェルン湖になる。湖畔には19世紀に建てられた、湖で泳ぐためのリドと呼ばれる水浴施設がある。夏になるとたくさんの人々がリドを訪れ、更衣室で水着に着替え、湖に泳ぎだしていくのだとか。
This story originally appeared in Papersky No.40.