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  • SWISSPhotography: PAPERSKY

スイスの旅のパートナー 早見あかりさん

, 2012/12/06

「スイスはどこにでも水があるし、しかもすごくきれいな水なんですよね」。あかりさんは、スイスの印象をこう語ってくれた。「どの街も川や湖が近くにあって、街中に水汲み場を兼ねた噴水がいくつもあって。きれいな水があるから、スイスの人たちの暮らしが成り立っているんだろうなという感じがしました」。

あかりさんと最初に訪れたのは、旧市街の街並みとロイス川にかかる木橋が美しいルツェルン。あかりさんは、三角形の家や屋根の煙突など日本とは違う街並みが、映画の世界のようで感動したのだとか。「湖畔のベンチに座って、片手にサンドイッチを持っておじさんが新聞を読んでいたり、かっこいい女の子たちが4人で並んでおしゃべりしていたり、そういう何気ない日常の風景も映画の世界と同じで、街を眺めながら歩いているだけでも発見と感動の連続です」。

また、あかりさんはロイス川やルツェルン湖など、底が見えるほどの水の透明度の高さに大感激。「東京の川とは違ってスイスの川や湖はとってもきれいなので、いたずらで落とされてもあんまり怒らないかも」と、いたずらっぽく笑う。「あと、白鳥にもびっくりしました」と、あかりさん。ロイス川には、18世紀にフランス皇帝から贈られた白鳥たちが泳ぐ。あかりさんが餌代わりの焼き菓子を持って川岸に近づくと、いっせいに白鳥たちがあかりさんに群がった。その食いつきっぷりは、冒険心いっぱいのあかりさんをも「ちょっと怖かった」と驚かせるほどの勢い。あかりさんの手がすっぽり白鳥の口に収まってしまう瞬間もあった。我先にと懸命にお菓子に食いつく白鳥たちの足下をのぞくと、必死に水かきを動かすようすがよく見えた。

「これも水が透明だからですよね。湖畔には、湖に囲いをつくっただけのプール(リドと呼ばれる水浴施設)があって、初めて見ました。日本では、まずプールを建てて、そこに水を入れて、薬品で消毒するっていう人工的なものだけど、スイスでは人が手を加えずに、自然の湖をそのままプールにできるなんて驚きました。湖の水が汚かったら湖をプールにしようとも思わないし、そもそも泳ぎたいとも思わないですよね。やっぱりきれいな水によってスイスの文化は育まれてきたのかな、って感じます。あかりも泳ぐのは大好きなので、泳ぎたかったなあ。でも、冷たかっただろうな」。

ルツェルン湖では泳げなかったものの、1時間程度の遊覧船の旅を満喫。「湖だと波がないから揺れないし、潮風と違って、風がさらさらで気持ちがよかったです。それと、とにかく景色がいい。片方はかわいらしい家が並んでいて、片方は山がばーっと連なっていて、日本では絶対に見られない風景が広がっていました」。

目的地までは、途中いくつもの船着き場を経由した。時には、ひとりしか待っていない場所にも、船は律儀に停車する。「バスに乗るみたいに、船を待っている人がいて。でも、船はバスみたいに簡単には停まれなくて、何人もの船員で重いロープをさばき、やっと停留。スイスでは、船が日常の交通手段のひとつなんですね」。

旅の後半は、あいにくの悪天候続き。ロープウェイでリギ山を登った日も、ベルンで噴水やアーレ川を見て歩いた日も、しとしとと雨が降っていた。

「ロープウェイはすごい高さを10分で上がってしまうことにびっくりしました。街からどんどん離れていくからはしゃいでいて、途中から『目の前が白くなってきたよ』なんて言っていたら、着くときにはなにも見えなくなっていた(笑)。小さいころって、雲は食べられると思っていたし、乗れると思っていた。いまもどこかそのイメージがあって、ロープウェイが雲をすり抜けていったとき、現実の世界を見てしまった気がしました。『あっ、やっぱり水蒸気のかたまりだった!』って」と、あかりさんは笑う。

あいにくの天候でも、わずかに見せてくれる自然の姿に、あかりさんはとても感動したのだとか。「リギ山は上に上がると一面真っ白でしたけど、大きな木が1本だけぼんやりと見えて、それが逆にすごく神秘的な感じがしました。ベルンのアーレ川も、連日の雨できれいなエメラルドグリーンから土色に変化。ガイドさんがこんな色になることはめったにないって目を丸くしていて、ある意味、貴重ですよね」と、前向きに楽しむのがあかりさん流。でも、アーレ川でのリバースイミングはすごくやりたかったな、と少し残念そう。

「川で泳ぎたいというよりも、川に流されるのはどんな気持ちなんだろうなあと思って。東京出身のあかりの周囲には泳げる川なんてほとんどないので、想像もつかない。人工的なアミューズメント施設っていうわけではなくて、自分で飛びこんで、そのまま流れるだけっていう。ベルンの人たちが昔からふつうに遊んできた場所なんですよね。水に上がるためのステップを掴み損ねると、そのまま流れていってしまうこともあって危険と聞いたのですが、そう言われるとよけいにわくわくして、やりたいって思ってしまう」と、大胆な発言も飛びだした。

なんでも挑戦してみたいタイプ、と自らを語るあかりさん。「将来、いろいろな顔をもつ幅広い人になりたい。異性からも同性からも好かれる人になりたいんです。自分の芯をもっていて、自分の意見をしっかり言える強い人が理想像です」。そんな目標とする自分に近づくためにも、これからはどんどん海外に出てみたいと話す。「英語もそうですし、自分は勉強が足りないことに気づき、反省しました」。

海外に出ると、これまで見えていなかった日本の姿にも気づくことができる。「いまの日本は、自然を残すより開発してしまうことが多いように思うのですが、スイスでは開発されるにしても、自然は大切にされている気がしました」と、あかりさん。また、ルツェルンで訪れた、14世紀築の木造のカペル橋にまつわる、あるエピソードにもスイスらしさを感じたのだとか。カペル橋は、1993年に火災で多くの部分が燃失してしまったことがある。

「焼失した部分は新たに復元されているのだけど、焼け焦げて真っ黒になった装飾画がそのまま掛けられていました。燃失という歴史も含めて昔のことを大切にしている、新しくしすぎない姿勢に、共感しました。山とか湖とか、自然を基盤にしてスイスの人たちの生活が成り立っているように思います。自然とともに生きている。それって、すてきですよね」。

早見あかり | Akari Hayami | モデル・女優
1995年東京都生まれ。モデル、女優。2008年より「ももいろクローバー」のメンバーとして活動後、2011年に脱退。現在、ソロとして、広告、TV、雑誌等で活動中。2012年はTV東京「ウレロ☆未完成少女」に出演。12月19日より同番組のDVD BOXが発売、2013年3月には舞台公演も予定されている。
http://ameblo.jp/hayami-sd/

This story originally appeared in Papersky No.40.

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