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里山とアートを結ぶKEENの架け橋は、「DEAI」を求めて

, 2012/06/05

3年に一度、越後妻有で開催されている「大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレ」。5回目を迎える今年、「DEAI」というプロジェクトでアーティストのBubbとGravityfreeとともにKEENが芸術祭に初参加する。アートと里山の融合に彼らが思うものとは?

新潟県越後妻有。一年の半分は雪に閉ざされる、世界でも有数の豪雪地帯である。信濃川が育んだ肥沃な土地には、縄文時代中期から農を生業とした暮らしが営まれ、大地に根づいた里山文化が1,500年にも渡って受け継がれてきた。豊かな里山は独自の文化を生みだし、雪に閉ざされた長い冬はいきいきとした生活の知恵を編みだす。しかし、そんな豊かな里山にも過疎化、高齢化の波が押し寄せる。日本の原風景ともいうべき伝統的な暮らしや風景はいまや失われつつあり、200余ある集落のうち、約50の集落が限界集落といわれている。空き家は1,000軒にもおよび、棚田は放棄され荒廃してきた。

そんな越後妻有の中山間地を再び活性化すべく、2000年に始まったのが『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』だ。アートを媒介に緑豊かな棚田や農業に培われた文化を継承し発信していこうという試みは、多様なバックボーンをもつ人々のネットワークを築きあげ、世界各地のアーティストたちを惹きつけてきた。そしてこの夏、BubbとGravityfreeの3人はここで『DEAI』というプロジェクトを展開する。『DEAI』とはアウトドアと里山の橋渡しをする、KEENによるコミュニティの場のこと。KEENが越後妻有の『まつだい棚田バンク』という棚田保全の活動に2010年3月から里親になったことが縁で生まれたプロジェクトだという。

「僕たちのプロジェクトの舞台となるのは、10年前までおばあちゃんがひとりで暮らしていた小野塚邸です。なんの変哲もない普通の民家なんだけれど、冬の間におばあちゃんが編んでいた手づくりの草履がそのまま遺されていたんです。その草履を見たとき、このプロジェクトのコンセプトが生まれました」とGravityfreeのデジョー。亡くなったおばあちゃんによる伝統的な草履、そして「現代のわらじ」ともいうべきKEENのシューズ。それは過去と現代の出逢いであり、その偶然の出逢いから生まれたアイデアや交流こそが、未来の社会像を考えるヒントになるかもしれないと考える。

だから、今回のコンセプトは「出逢い」。人とモノの、人と人の、過去と現代の、失われつつあるものと未来に受け継がれていくものの。
「おばあちゃんが長年暮らしていたという愛着のある家を、全部壊して『アートです』というのは抵抗がある。だからリユースの精神で、おばあちゃんが遺したものはそのまま使いたい。どうせつくるなら芸術祭が終わった後も人が集いたくなるような、居心地のいい家に」

彼らの頭にあるのは屋根裏まで吹き抜けになった、開放感のある空間だ。邸内の白い漆喰壁には草履の編み目のディテールがグラフィフィカルにあしらわれている。20畳一間の1階メインフロアにはのれんに囲われた、過去、現在、未来をテーマにした3つのインスタレーション。階段を上がった2階フロアには資材袋をリユースしたKEENのバッグと、おばあちゃんのわら編みの籠が並べて展示されている。ここは昔ながらの文化や知恵を学べる場としても機能する予定だ。大きな窓からはどこまでも広がる棚田の風景が一望できる。家の周囲には妻有自慢の清流を引き、ここを訪れる人が足を洗えるよう……3人の想像はふくらむばかりだ。

「邸内のイメージは孫とのふたり暮らしを楽しんでいる、ジョージア・オキーフみたいなおばあちゃんの家。その家には現代のスタイルと昔ながらの価値観が心地よく共存している」

20世紀は「都市の時代」と言われた。食料の安全や生態系の保全など大切なことが置き去りにされてきた反省をふまえ、価値観の転換を迎えた21世紀に目指すべきは循環型地域型社会像。そのヒントは、気候や風土に寄り添った「里山」の伝統的な生き方にこそある。寒の時期に味噌や麹床を仕込み、農作業のできない長い冬には草履を編んで家計の足しにする。ここで目にするささやかな生活のワンシーンにも、希望に満ちた未来をひもとくための手がかりが見つかるかもしれない。そのために学び、出逢い、対話し、共有すること。この家がそうした役割を果たすコミュニティの礎となることを願って、3人とKEENのプロジェクトが動きだす。

KEENが参加するアートプロジェクト「大地の芸術祭」
DEAI by Bubb & Gravityfree with KEEN

大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレ2012
越後妻有とは新潟県十日町市と津南町からなる、日本屈指の豪雪地帯。今も里山の暮らしが残る地域を舞台とする芸術祭では、地域とアーティスト、参加者が一体となってさまざまな催しが開催される。
会期 2012年7月29日〜9月17日
www.echigo-tsumari.jp

PAPERSKY #38 Oregon Trail issue 掲載記事より
Photography: Tetsuya Yamamoto Text:Ryoko Kuraishi

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津南
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新潟

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