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古代タヒチの魂「マラエ」をめぐる|タヒチ(2)

ハワイのフラ、イースター島のモアイなど、日本でもおなじみになったポリネシアの文化だが、これらのオリジンはみんなタヒチにある。タヒチにはその昔、20m以上もの大型カヌーをつくる技術と、遠洋航海術があった。人々は渡り鳥のよう […]

11/01/2011

ハワイのフラ、イースター島のモアイなど、日本でもおなじみになったポリネシアの文化だが、これらのオリジンはみんなタヒチにある。タヒチにはその昔、20m以上もの大型カヌーをつくる技術と、遠洋航海術があった。人々は渡り鳥のように、かなたにある陸地を夢見て大海を渡り、文化や技術、また動物や植物を交換したのだろう。そんなタヒチの歴史を伝える遺跡を見ることができるのが、ここフアヒネ島だ。タヒチ人の心のふるさと、「神話の島」として、タヒチの中でも特別な場所として知られる。
島には昔、長老たちが村の儀式を執り行ったマラエという、石の遺跡が数多く眠っている。このマラエを発掘したのがなんと、ハワイのビショップ・ミュージアムの篠遠喜彦博士という日本人考古学者なのだ。博士の発掘発見によって、ポリネシア人は自分たちの祖先に誇りをもち、アイデンティティを取り戻すことができたのだという。
篠遠博士のお弟子さんであるフアヒネ在住のポール・アタラーさんのヒストリカル・ツアーに参加してみた。島に伝わる神話の物語を聞きながら、海辺に、また山の頂上にあるマラエをめぐってみると、古代タヒチ人の魂が、濃い緑の中からひっそりと語りかけてくるようだ。点々と置かれているアフという石は、長老たちが儀式の時に背をつけて座った所。彼らの采配によって多くの無益な戦いを避けることができたのだといわれている。