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ニーブスが案内する、チューリヒの書店めぐり

“ジン(ZINE)”という冊子のスタイルをアートブックの領域と結びつけ、世界中にアートジン旋風を巻き起こしたのが、チューリヒを拠点に活動するインディペンデント出版社・ニーブス(Nieves)のベン […]

08/10/2010

“ジン(ZINE)”という冊子のスタイルをアートブックの領域と結びつけ、世界中にアートジン旋風を巻き起こしたのが、チューリヒを拠点に活動するインディペンデント出版社・ニーブス(Nieves)のベンジャミン・ソマホルダーだ。マイク・ミルズやスパイク・ジョーンズ、写真家ホンマタカシや平野太呂など、有名無名を問わないエモーショナルな作品がこの小さな出版社から世界へと送り出されている。先日開催されたTokyo Art Book Fair 2010においても、HUgE, Between the Booksはじめ、いくつものブースで<ニーブス>という言葉を目にしたように、日本のアートブック界にも多大な影響を与えている。ベンジャミンがニーブスをスタートさせたのは2001年。本誌編集長ルーカスが雑誌『TOKION』をつくっていたころからの10年来の友人だ。
ニーブスは土曜には書店としてもオープンしていて、バッグにも描かれたキャラクター“Waterman”が出迎えてくれる。子どものための絵本からアーティスティックなイラストレーションまで、ジンというローカルな形態をとりながら、そのどれもがユニバーサルな存在感を放っている。ニーブスから10冊以上のジンを出しているステファン・マークスの『85 Zeichnungen』は、昨年、スイス政府が選定している『The Most Beautiful Swiss Books』にも選ばれた。
本誌No.33 スイス特集では、その『The Most Beautiful Swiss Books』になぞらえて、ベンジャミンとルーカスが個人的に選ぶ「最も美しいスイスの本」を探して、チューリヒの書店を自転車でめぐった(P.20-21)。ベンジャミンが最初に案内してくれたのは、老舗の古書店BÜCHER BROCKY(ビューハ・ブロッキ)。センスよくセレクトされた雑誌やZINEをそろえるPerla-Mode、建築・デザインの専門書を扱うHochparterre(ホッホ・パルチール)などをめぐり、絵本やドローイング、建築まで、スイスの多様なアートブックが集まった。ベンジャミンとルーカスが選んだ「最も美しいスイスの本」は8冊。Tokyo Art Book Fair 2010のニーハイメディアのブースにも展示された。
1. Plotzlich diese Ubersicht, A beautiful little book by Fischli / Weiss, published by one of the best publishers, Walther Konig.
2. GRR41 Baku & Back, issue number 41 of the legendary series by Ingo Giezendanner aka grrrr.
3. IM ZOO (Pipifax), Children’s book by Nadine Spengler, silkscreen print with little secrets.
4. deer:die:das: (Ausgabe a wie Apfel), First issue of the new Swiss magazine by Nadja Aebi and Hin Van Tran.
5. S.Marx 85 Zeichnungen, Elaborate risograph print of Stefan Marx’ drawings, published by Rollo press.
6. Ari Marcopolous, Within Arm’s Reach. JRP | Ringier published this first monograph of Marcopoulos’ work.
7. Linus Bill, Falshlight drawings on photographic paper in the dark room.
8. Olgiati, An architectural book on Olgiati’s white house “geibes haus” in laax, Switzerland.
自転車によるチューリヒ街めぐりの最後に、ベンジャミンがこっそり教えてくれたのは、おすすめのスープ店”Bingo Bongo“。素材はみなオーガニックという、スープやサラダ、サンドイッチなどがおいしい、ローカルに愛される店だ。テイクアウトしたスープを持って、ベンジャミンが案内してくれたのは、住宅街の中にある小さな公園。木立に囲まれ、たくさんの子供たちが遊んでいる中、取材班は芝生の上でのんびりとスープを味わいながら一休み。ローカルに案内してもらう旅の醍醐味は、こんなスープを飲むのにちょうどいい公園をすぐに教えてもらえるところにもある。
Nieves Books http://www.nieves.ch
関連動画: Papersky Zurich Ride
 
取材協力:スイス政府観光局
スイス インターナショナル エアラインズ
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