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ちどり公園、工場地帯の猫たち

川崎市の臨海部、京浜工業地帯の一角に「ちどり公園」という場所がある。この公園にたくさんのノラ猫がいることは前からよく知られていて、園内を歩きまわれば、おびただしい数の猫たちを見かける。 ある日の夜中、この工場地帯を撮影し […]

06/25/2010

川崎市の臨海部、京浜工業地帯の一角に「ちどり公園」という場所がある。この公園にたくさんのノラ猫がいることは前からよく知られていて、園内を歩きまわれば、おびただしい数の猫たちを見かける。
ある日の夜中、この工場地帯を撮影してまわっている時に、このちどり公園を通ることがあった。霧雨で明かりがぼやけ、工場の機械的な音が絶えず響きわたっている中、ひとりで真っ暗な公園の中へ入っていく。こんな時間に人はほとんどいない。いつもよりも周りの様子に敏感になっているのか、歩いていると時々何かが茂みの向こう側で動き回っているのがはっきりと分かる。
それから翌朝まで撮影をして、帰り道にまたこのちどり公園を通った。昨晩の雨もあがり、べったりした初夏の朝。やはり公園には誰もいないが、時折猫の姿が見える。園内を歩いていくと、こちらを見張っているかのように、猫達が少し距離を置いてついてくる。まだ隠れているのもいるのだろうが、それにしてもすごい数の気配だ。普段どこでもよく見かけるようなノラ猫たちに、完全にこちらが囲まれている。
厳しい目つきでじっとこちらを見つめてきたり、捨てられたビニール袋にたまった雨水を飲んでいたり。こちらに近寄ってくる猫もいれば、逃げてしまう猫もいた。ベンチの横には、猫へ餌をあげる際の注意書きと、プラスチックケースに入った食器類が置いてある。この工場地帯のど真ん中での暮らしは猫たちにとってどんなものなんだろうか。
川崎駅に戻るため、公園を出てバス停に歩いた。途中まではついてきた猫達も、公園の外までは出てこなかった。
<ちどり公園>
川崎駅より市営バス「川04系統 市営埠頭行」または「川04系統 東扇島循環」、「川07系統 川崎ファズ物流センター行」にて「東電前」下車。入り口までは徒歩数分。(可能なら自転車がおすすめ)