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ワイルドマウンテンにずっと住みたい「ワイルドマウンテン」

次に住むならワイルドマウンテン町に住みたい、という人は多いはずだ。もちろん僕もそのひとり。ん、なんのこと?って人に念のためワイルドマウンテンのことを説明すると、ある日、中野区に巨大隕石が落下して大きな岩山ができる。この地 […]

06/11/2010

次に住むならワイルドマウンテン町に住みたい、という人は多いはずだ。もちろん僕もそのひとり。ん、なんのこと?って人に念のためワイルドマウンテンのことを説明すると、ある日、中野区に巨大隕石が落下して大きな岩山ができる。この地はワイルドマウンテン町と名づけられ、元・地球防衛軍隊長、菅菅彦(スガスガヒコ)が町長として赴任する。最初は菅彦ひとりだった住人も、淵野辺さん、その孫であり、町でたったひとりの子どもの銀造、そして岩山に張りついた、テレパシーで会話する巨大岩、ハガレゴッドとその仲間たちと、菅彦の努力のかいもあって住人は増えてきて徐々に発展していく。あっちこっちで恋も生まれる。一見、平和に見えるワイルドマウンテン町と菅菅彦だが、じつは彼が地球防衛軍時代に地球に衝突しようとする隕石を撃ち損なったことで生まれた場所であるという秘密を抱えている。とぼけた展開から、まさかのシリアスなロボット対人間の香港での格闘編を経て、メディアからの攻撃という現実世界との軋轢。ワイルドマウンテンの未来はいかに…。というのがおおまかなストーリー。
でも、完結したこの漫画の楽しみ方はむしろストーリーとは別に繰り広げられる(ように見える)小ネタの数々。ジャズのことをまったく知らない菅彦が知ったかぶりするくだりや、音楽好きには毎回のタイトルにもニヤリとさせられる。住んでいる場所でも旅先でも、自分と世界を親密なものにするのは、ちょっとしたつながり。ずっと続いてほしかった居心地のいい町の話だ。
ワイルドマウンテン( 1~8)
本秀康 著
小学館
¥630~700(各巻)